【記者の視点/浅野一歩】東日本大震災10年、厳しさ続く東北の造船・舶用工業
10年前の3月11日、筆者は実家がある仙台市内で被災した。緊急地震速報の音と響く地鳴り、そして長く続いた揺れの恐怖は今も忘れることができない。◆ 東北地方は、漁業が盛んで、それに関する造船・…
【記者の視点/佐々木マヤ】日本発航空貨物 続くスペース逼迫、物量急増でチャーター起用拡大
日本発の物量は1月の中旬以降から急増している。関係者の多くは「海上の混乱が要因の一つ」と語り、海上輸送のスペース・コンテナ不足を指摘する。船の満載による積み残しは、昨年末から自動車関連を中心に…
【記者の視点/柏井あづみ】海運のESG経営。足かせではなく「差別化」の源泉に
先週17日、当社に日本郵船の長澤仁志社長と筒井裕子執行役員を招き、同社のESG(環境・社会・企業統治)に基づく成長戦略「NYKグループ ESGストーリー」をテーマとするウェビナーを開催した。まず視聴…
【記者の視点/梶原幸絵】コンテナ船に代わる選択肢。多様な代替サービスに期待
コンテナ輸送の逼迫(ひっぱく)が続いている。先週、これまで節目の一つとされてきた春節(旧正月)が明けたが、旺盛な物流需要が衰える気配はほとんどないようだ。運賃も一部で軟化する兆しが見えてきたとはいえ…
【記者の視点、鈴木一克】海事産業強化法案閣議決定、内航船員定着へ国が後押しを
難題となっている新型コロナウイルスへの対応などについて議論が交わされている今年の通常国会。その国会への提出法案として、政府は5日、「海事産業強化法案」(海事産業の基盤強化のための海上運送法等の一部を…
【記者の視点/幡野武彦】海上コンテナ意外と少ない参考指標、正確な荷動き情報公開に期待
これまで当たり前のように使っていたものが急に使えなくなると慌ててしまう。それを強く実感した出来事があった。コンテナ船の運賃動向を知る上で参考指標となっていた中国・上海にある上海航運交易所(SS…
【水平線】コロナ禍1年
振り返れば、国内で初めて新型コロナウイルスの感染者が確認されたのは昨年1月。翌2月ごろから世間は「コロナ禍」で騒然となった。それから1年、現状はこの通りで、いまだ収束のめどは立っていない。▼年明…
【記者の視点/五味宜範】日本シップヤードの発足、社名の「日本」の意味
今治造船とジャパンマリンユナイテッド(JMU)は1月、資本業務提携の実行とともに、合弁の商船設計・営業会社「日本シップヤード(NSY)」を立ち上げた。NSY発足を受け、今治造船、JMU、NSYの3社…
【記者の視点/有村智成】大阪港の2020年、コロナ禍で輸入主体の特性示す
コロナ禍で日本そして世界のコンテナ港湾が翻弄(ほんろう)される中、記者が担当している大阪港の2020年のコンテナ取扱個数は意外な健闘を見せた。大阪港湾局が発表した最速報値は、輸出入合計で前年比1・1…
【記者の視点/松下優介】NSY確信の船出、文化の違い超え 日本に造船残す
20年前、新卒で入社が内定していた通信事業会社が外資に買収された。「パッション・フォー・カスタマーズ(顧客に情熱を)!」。翌年の入社式では、外国人社長の訓話を復唱。それから数年で外資系ファンド、新興…
【記者の視点/山田智史】ドライ市況の健全化、有力船社の撤退 契機なるか
鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶドライバルク船の用船マーケットが、年明け後も何とか持ちこたえている。ドライ市況は雨期などの季節要因で1―3月に落ち込むことが多い。今年は中国沖での寒波による滞船など…
【記者の視点/浅野一歩】綱渡り続く物流、日常支える存在、広く伝える
新型コロナウイルス感染症の感染拡大は2021年も収まりそうもない。感染防止のためリモートワーク環境が整備されたことによって、ウェブ会議アプリ「Zoom」(ズーム)や「Teams」(チームズ)を…
【記者の視点/柏井あづみ】米国の環境政策転換。脱炭素化加速へ 野心的な燃油課金を
米国で20日、バイデン新政権が発足した。首都ワシントンの連邦議会議事堂前で就任演説に立ったバイデン新大統領は「unity」(団結)という言葉を何度も繰り返し、トランプ政権下で深まった分断の克服…
【記者の視点/梶原幸絵】コンテナ逼迫、日本でも政府支援検討を
「年が明けても何も変わらない。状況は悪いまま、私らにとっては低位安定ですよ」。大手NVOCC(海上利用運送業者)関係者は、そう力なく話した。海上コンテナ輸送の需給逼迫(ひっぱく)のことだ。本紙…
【記者の視点/高橋郁夫】新しい産業港湾政策の潮流、具体化するCNPに注目
1950年に制定された港湾法は、現在に至るまで日本の港湾管理・運営の根幹を成す法律だが、その最大の特徴は徹底した地方分権にある。港湾管理者は地方公共団体が担い、国は大規模で難易度の高い港湾施設整備と…
【記者の視点/鈴木隆史】緊急事態宣言下。外国人船員入国可 引き続き堅持を
「(日本社会全体への)公益性や経済面を考慮し、必要な検疫の要請に応えてもらうことなどを条件に、『特段の事情のある外国人』として外国人船員の入国を引き続き認める」 緊急事態宣言下の外国人船員の入国…
【記者の視点/鈴木一克】コロナ感染拡大下の内航海運、安定輸送維持へ継続的支援を
2021年は年明けから新型コロナウイルス感染の急拡大で、正月気分がほとんど感じられない、厳しい1年の始まりとなった。新型コロナウイルス感染拡大で、政府は昨春に続き、8日から緊急事態宣言を首都圏1都3…
【記者の視点/船木正尋】「脱炭素化」進める技術開発、民間活力引き出す支援策を
地球温暖化対策の国際ルール「パリ協定」が昨年12月、採択から5年を迎えた。こうした中、2050年までに温室効果ガス(GHG)排出の実質ゼロを目指す国は120カ国・地域を超えており、技術開発が加速しそ…
【記者の視点/有村智成】コロナ禍の関西物流への影響、仕出し地・輸送モードで濃淡
新型コロナウイルス問題が一向に収まる気配を見せない。昨年3月に執筆した当コラムでは「新型コロナウイルス問題の長期化は世界経済に大きなダメージを与え、海事・物流業界にとってもマイナスなのは間違いない」…
【記者の視点/五味宜範】次世代環境船舶開発センター、従来の「枠」超えた連携注目
国内造船業界で、各社がしのぎを削る「競争領域」と、例えば中国や韓国造船との競争に勝つことなどのために企業間で連携する「協調領域」の間にあった、従来の線引きを見直す機運が出てきた。国内造船の有志…