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2023年11月21日 デイリー版3面
CMA、AI研究所を発足。イリアドなどと共同で
仏船社のCMA―CGMは17日、仏通信会社イリアド、グーグルの元CEO(最高経営責任者)が創設した慈善団体シュミット・フューチャーズと共同で、人工知能(AI)を研究する非営利の民間研究所「Kyutai(キュタイ)」を立ち上げたと発表した。同研究所はパリを拠点に、現代のAIの主要な課題に取り組むことを目的に設立。中でもテキストや音声や画像などを使用する大規模なマルチモーダルモデルを開発し、その能力を高めるための新たなアルゴリズムを構築する。
同研究所にはCMA―CGMとイリアド社がそれぞれ1億ユーロの資金を提供。既に3億ユーロの資金が集まっているという。
今後オープンサイエンスのリーダーとしてAIの民主化を後押しし、将来的には修士課程の学生へのインターンシップ(就業体験)の機会の提供など、将来のAI専門家の育成にも貢献していくとしている。
CMA―CGMの会長兼CEOのルドルフ・サーデ氏は「キュタイはAIの課題に取り組む世界最高の専門家を集めたベンチャー企業だ。CMA―CGMグループがこの事業に参加することを決めたのも、フランスとその他のヨーロッパ諸国を人工知能研究の最前線にしたいという願望があったからだ」と発足の狙いを語っている。