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 印刷 2023年11月17日デイリー版3面

港湾セミナー】福井県、敦賀・福井両港をアピール。中京圏アクセス向上

福井県の優位性をアピールする杉本知事
福井県の優位性をアピールする杉本知事

 【関西】福井県企業立地・港セミナーin大阪が15日、大阪市内であった。同県の杉本達治知事が交通アクセス改善など企業立地での優位性向上を説明するとともに福井・敦賀両港をアピールしたほか、福井県敦賀市の米澤光治市長が敦賀港の現状を説明した。

 杉本知事はプレゼンテーションで、来年3月に北陸新幹線が敦賀まで延伸し首都圏との人流拡大が見込まれるとともに、中部縦貫自動車道・勝原インターチェンジ(IC)―九頭竜ICが今年10月開通したことに言及した。

 中部縦貫自動車道は2026年に岐阜県境まで延伸が予定されており「中京地区も近くなる」と産業立地面での優位性向上を示唆。また関西圏と北陸を結ぶ舞鶴若狭自動車道の4車線化工事が始まったことにも触れた。

 併せて原子力立地地域での電気料金のコスト優位性、自然災害に強く地震も少ない立地、DX(デジタルトランスフォーメーション)や環境への取り組みなどを説明するとともに、背後に産業団地を有する福井港などの話題にも言及した。

 敦賀市の米澤市長は敦賀港についてプレゼンテーションし、同港が福井県だけでなく滋賀・岐阜両県の一部にとっても最寄り港となるほか、関西圏、中京圏にも程近く、北海道との内航貨物輸送で貢献していることなどを説明した。

 同港は内航フェリー・RORO船で北海道や九州と結ばれ、新日本海フェリーの敦賀―苫小牧航路、近海郵船のRORO船による敦賀―苫小牧航路と19年開設の敦賀―博多航路のほか、22年には井本商運による神戸港との日本海フィーダー航路寄港が始まったことを紹介した。

 一方、外航では韓国との間でコンテナ航路が2船社週2便、RORO航路が週1便運航していると紹介。以前は中国との航路があったが今は韓国航路だけで、航路復活に取り組んでいると強調した。

 港湾整備では、コンテナターミナルがある鞠山南岸壁の再延伸が国事業で今年度から始まり、27年までに現行410メートルから630メートルに延伸される。併せて県事業で埠頭用地の拡張工事も始まり、内航RORO船の博多、苫小牧両航路の2隻同時着岸が可能となり、積み替え利便性が高まることなどをアピールした。