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 印刷 2023年11月02日デイリー版2面

MariTech 海事未来図】ゼロノース、アルファ・オリと提携。サービス・PF一元化

 デジタル技術で運航最適化を支援するデンマークのゼロノースは10月31日、シンガポールの海事テック企業アルファ・オリ・テクノロジーズ(AOT)と海運のDX(デジタルトランスフォーメーション)を目的とする新会社設立に向けた提携契約を締結したと発表した。規制当局からの認可取得後、AOTはゼロノースグループ傘下で事業展開し、両社サービスを一元化。12種類のサービスを統合プラットフォーム(PF)から提供する。

 両社は現在、計4000隻以上に最先端技術を提供している。今回の提携を機に、AOTのIoT(モノのインターネット)センサーと高周波データの専門知識、ゼロノースのマルチサービスPFを組み合わせ、新たな持続可能性ソリューション創出を目指す。

 ゼロノースのソーレン・メイヤーCEO(最高経営責任者)が共同事業の指揮を執り、コペンハーゲン本社で従業員780人(3分の1がコンサルタント)が協働する。

 ゼロノースは2020年、デンマーク船社マースクタンカーズのデジタル部門が分離・独立して発足。同国海運大手APモラー・ホールディングや米穀物大手カーギルなどが出資する。

 AOTはインドと米国に製品開発拠点を有し、IoTや機械学習、クラウドベースのビッグデータ・サイエンスなどを駆使して遠隔操作を実現。船上の最高レベルの安全をビジョンに掲げている。