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 印刷 2023年10月31日デイリー版2面

MariTech 海事未来図】飯野海運、AIで船員配乗計画。星港スタートアップと協働

 飯野海運は30日、シンガポールのスタートアップ企業グレイウイングと協働し、AI(人工知能)を利用した船員配乗計画作成プログラム「クルーマトリックスプランニング」(CMP)を開発・導入したと発表した。配乗計画の策定業務を自動化し、船舶管理部門の業務負担を軽減することで、海技者の持つ専門性をより付加価値の高いプロジェクトや脱炭素化などの分野に振り向ける。

 飯野海運が持つ配乗計画作成のノウハウと、グレイウイングの最先端ソフトウエア・プログラミングの専門性を持ち寄り、構想から約9カ月でAI配乗計画作成プログラムは完成した。

 同プログラムは船員データベースと連動し、自動でリアルタイムに配乗計画を作成できる。今後18カ月の交代計画を作成できるほか、石油メジャーや用船者別の要求を満たした計画を作成できる。

 そのほか、船ごとの乗船経験や職位ごとの経験年数など船員のプロフィル、船別・船員別の配乗計画、石油メジャーの要求満足状況などを表示する機能を備える。手動で配乗計画を修正することもできるほか、直感的に操作できるインターフェースも特長だ。

 飯野海運はDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の一環として、船員配乗計画作成プロセスの自動化に2022年後半から着手した。

 昨年起用した米シリコンバレーの世界最大のアクセラレーターであるプラグ・アンド・プレイの協力の下、グレイウイングをパートナーに選定した。飯野海運とグレイウイングは今後もプログラムの改良に取り組む。