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 印刷 2022年08月05日デイリー版3面

ジャパンヒュペリナー、航空貨物PF 本格運用。航空会社・FW・荷主の業務集約

稲葉社長はPFを通じて航空貨物の業務改善に取り組む
稲葉社長はPFを通じて航空貨物の業務改善に取り組む

 航空系スタートアップのジャパンヒュペリナー(JH、本社・堺市、稲葉憲邦社長)は、航空貨物輸送の日本発デジタルプラットフォーム(PF)「エカデジ」の本格運用を開始した。エカデジはブッキング、貨物追跡、書類の自動作成が可能。航空会社、フォワーダー(FW)、荷主が1つのPF上で情報共有できる仕組みを構築した世界初のPFだという。JHは今後エカデジの機能も拡充し、PFを通じて航空貨物輸送に関わる業務の改善に取り組む。

 エカデジは2021年12月から試験運用を開始。先月7日に本格稼働した。現在、航空会社やFW、荷主企業を含めた数十社が試験導入している。航空会社―FW間の運用から開始し、荷主向けの本格導入に向けて準備を進める。

 FWはPFで荷主から依頼された貨物情報を基に航空会社に貨物スペースを予約できる。出荷後の貨物の動静もリアルタイムで閲覧可能。事前に入力した情報はAWB(航空貨物運送状)やDGD(危険物申告書)などの書類に自動反映されるので書類の不備を未然に防ぐことができる。

 一方、荷主はPFによりフライトを検索し、運賃やその他諸費用を比較しながらワンクリックでFWに輸送を依頼でき、電話やファクス、メールでのやりとりが不要になる。

 独カーゴワンなどが航空会社―FW間のPFを提供しているのに対し、エカデジの特徴は荷主を加えた3業態の業務を集約しデジタル化する点にある。ただし、荷主―FW間、航空会社―FW間でサービス画面が異なり、航空会社と荷主は直接やりとりできない仕様。現在、国際ハンドキャリーサービスなどを手掛けるオプテックエクスプレスなどと連携し、本格導入に向けた仕様変更を進めている。

■アジア展開も視野

 JHは20年に設立。稲葉社長は日系・外資系航空会社、外資系FWで営業、予約、輸出オペレーションに携わった経験を持つ。

 同社によると、航空貨物業界ではデジタル化が大きな課題になっている。一般的に国際輸送の見積もり業務にはメールや電話などが使われ、2―3日かかるという。エクセルシートでの書類作成、電話やメールによる問い合わせも少なくない。

 稲葉社長は「航空輸送は緊急性が高い貨物が中心なので、エカデジを使ったスピーディーなやりとりは価値が高いと見ている。これまで取引のなかった航空会社とFWのやりとりも可能になり、荷主はFWへの依頼をよりスムーズに行えるようになる」と利用のメリットを説明する。

 実際に利用したFWからは「各航空会社のシステムを使って行っている予約業務を一本化でき、利便性が高い。予約機能だけでもモジュール化してほしい」などの声が上がっているという。PFに蓄積されたデータをナレッジ(知見)として管理し、さらなる業務効率化に生かすことも考えられる。

 JHは今後、税関システムとの連携や入札案件の一元管理、AI(人工知能)を活用した航空会社向けの搭載プラン作成機能などを新たに開発する計画。利用ユーザーからの要望を取り入れ、品質向上に取り組む。

 さらに、23年度までに国内でエカデジのPFとしての地位を確立し、以降はアジア太平洋地域への拡大を視野に入れる。将来的には海外に開発拠点を設置することも検討する。