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 印刷 2022年08月05日デイリー版5面

ニュース深読み/物流】航空輸出3半期ぶり減。自動車減産、海上回帰も影響か

 デスク 国際航空貨物の動向を振り返ってほしい。

 A 航空貨物運送協会(JAFA)がまとめた2022年上半期(1―6月)の日本発輸出航空混載重量は、前年同期比9%減の54万2692トンと20年下半期以来、3半期ぶりにマイナスに転じました。前年度好調だった荷動きの反動減と、中国でのロックダウン(都市封鎖)長期化による物量の落ち込みが響きました。また、大手5社(日本通運、近鉄エクスプレス、郵船ロジスティクス、阪急阪神エクスプレス、西日本鉄道)のシェアは63・2%で、前年同期から1・9ポイントと減少。昨年は航空便の減便や海上輸送の混乱でスペースが取りづらく大手に物量が集中したため、前年同期に比べ5社のシェアは縮小しました。

 B 品目別では、半導体不足による自動車メーカーの減産で自動車関連の荷動きは鈍い状況が続いており、ここの戻りが今後の物量を左右することになりそうです。

 C 仕向け地別では、TC1(米州)、TC2(欧州)、TC3(アジア)の全方面が3半期ぶりに減少に転じました。特に昨年自動車関連の「船落ち」が多く出たTC1は、11%減と低迷。一時的に航空にシフトしていた貨物の海上回帰の動きが影響したようです。TC2は0・9%減と微減。2月末のロシアのウクライナ侵攻以降、日欧間スペースは減少しましたが影響は限定的にとどまった模様です。

 A TC3は10%減で、けん引役の中国が20%減、香港も10%減と落ち込みました。一方、台湾は半導体関連の好調で13%増と堅調でした。東南アジアでは自動車関連の物量が比較的多いタイ、インド、インドネシアが2割前後のマイナスで推移しました。

 B 輸入件数は5%減の103万647件と、3半期ぶりに減少しました。

 デスク 今後の見通しはどうだ。

 C NX総合研究所が7月に発表した「2022年度の経済と貨物輸送の見通し(改訂)」によると、22年度の航空輸出量は4・2%増と、前回公表値から3・0ポイント下方修正されました。上期は低調に推移するも、工場の挽回生産やEV(電気自動車)シフト関連需要の拡大を受けて自動車関連が下期から徐々に持ち直すと予想。通年では2年連続のプラスとなる見通しです。ただし、米国西岸港湾労使交渉が紛糾した場合には、海上からの航空シフトの再拡大で予想数値が上振れする可能性があるとしています。

 B 航空輸入も4・0%の増加と2年連続のプラスとなる見込みですが、前回予想値から1・6ポイント下振れしました。テレワーク関連の電気機器の荷動きは一巡も、EC(電子商取引)・通販関連は拡大基調を維持する見込みです。下期には国内外の工場生産正常化に伴い、部品・部材類の調達増による押し上げも見込まれるとしています。