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 印刷 2022年07月11日デイリー版1面

MariTech 海事未来図】東京海上日動、次世代事故対応で実証。APM・アイディアと共同

本船の情報入力
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東京海上日動の事故対応
東京海上日動の事故対応

 東京海上日動火災保険は6月29日、内航船の船主業を手掛けるアジアパシフィックマリン(北九州市、APM)、海事産業向けデジタルプラットフォームを運営するアイディア(東京都渋谷区)と連携し、次世代事故対応サービスに関する実証実験を実施した。東京海上日動とアイディアは今回の実証実験の結果を検証し、船舶の海難事故発生時の関係者の負担軽減を目指す。

 今回の実証実験では、アイディアが提供する運航管理業務をデジタル化するサービス「Aisea PRO」(アイシア プロ)を活用した。

 「Aisea PRO」は、船上のAIS(船舶自動識別装置)やカメラ、気象・海象などの各種データ、船舶関連書類を船陸間で共有し、安全運航管理の高度化や業務効率の改善を図る統合システム。

 「Aisea PRO」を導入しているAPMの所有船が、秋田港で岸壁に衝突する事故を起こしたと仮定。事故発生時の関係者との情報共有や事故対応の流れについて、本船、APMの北九州事務所、東京海上日動の東京事務所の3拠点での対応を確認した。

 船舶の海難事故対応を巡っては、初動段階で迅速かつ的確な判断を行うことが求められる。そのため、早期に損害状況を把握することが極めて重要になる。

 また、事故発生時には本船の船員や船主は慣れない事故対応を行いながら、多くの関係者に情報を共有・連絡する必要があり、関係者に大きな負荷がかかる。特に油濁などの大規模事故が発生した場合には、より広範な対応が求められる。

 次世代事故対応サービスでは、事故発生時の関係者の負担を極力減らし、現場の事故状況を速やかに多数の関係者と共有することを目指している。

 東京海上日動で海難事故対応を担当するコマーシャル損害部・船舶第一グループの佐藤繁輝氏と新井理玖氏は、今回の実証実験について「Aisea PROを基軸に複数拠点の関係者が即時に情報を共有できることは極めて有効と確認できた。損害状況の鑑定に要する時間を、従来と比較して大幅に短縮できるという結果が得られた」と評価した。

 同社海上業務部船舶業務グループの岩田遥氏は「まずは、事故が発生した際のお客さまの負担軽減を図りたい。将来的には事故対応を通じて取得したデータを基に、商品開発や事故削減に向けた取り組みにもつなげていく」と述べた。

 東京海上日動は2020年にアイディアと資本業務提携した。東京海上日動はデジタル関連の取り組みに力を入れており、「保険とデジタルの力を組み合わせ、安心・安全な海の実現を目指す」方針だ。