ドローンの利活用の現状-想定される海事業界への影響の考察-
 印刷 2022年06月23日デイリー版2面

中小造工・越智会長、最大の問題は鋼材価格高騰。1年で1.5倍に

会見する越智会長
会見する越智会長

 日本中小型造船工業会の越智勝彦会長(旭洋造船社長)は21日、東京都内で総会開催後に会見し、「現時点で最大の問題は鋼材価格の高騰」と語った。越智会長は「船価に占める鋼材コストは2割を超える。この1年で1・5倍の価格上昇になり、今年度下期(10―3月)には2倍になろうとしている。円安は進むが、当会の会員会社は特に内航船ヤードなどの場合、円建て契約が中心でメリットが受けられない」と説明。鉄鋼メーカーや船主などにさまざまな働き掛けや支援要請などをしていく考えを明らかにした。

 越智会長は、中小造船業界の現状について「昨年からバルカー、コンテナ船の市況が好転し、それを手掛ける大型船ヤードなどでは受注により手持ち工事が回復した」と紹介。一方、中小造工の会員会社が主力とするケミカル船、中小型LPG(液化石油ガス)船、内航船などでは、「事業環境が底を打ったものの、依然低迷している」などと厳しい状況を説明した。

 鋼材価格高騰による収益圧迫に加え、舶用機器の調達でも支障が出る可能性について指摘。自身が社長を務める旭洋造船では「配電盤の一部部品で納期遅れを通告されたが、複数あるメーカー間で融通したことで難を逃れた」などと語った。

 また、鋼材を含めた資機材価格高騰への対応のほか、生産性向上、デジタル化に取り組むことも紹介。鋼材加工などを中小造工の会員会社が共同で取り組む検討や、環境負荷低減・省人化・革新的建造手法確立に向けた異分野企業を交えたコンソーシアムによる研究開発、設計システムの一気通貫化、鋼材などのサプライチェーン・マネジメント(SCM)の研究などを挙げた。

 技術開発面では、2030年に向けた低・脱炭素船の建造を目指し、日本財団の助成事業として2年間で研修事業を実施する。LNG(液化天然ガス)燃料船のノウハウを持つ造船会社などによる講習を想定する。