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 印刷 2022年06月14日デイリー版2面

ECL、連結経常益89億円。22年3月期、ロシア停止も代替確保

 自動車船、在来貨物船を運航するイースタン・カーライナー(ECL、本社・東京都品川区)の2022年3月期の連結経常利益は21年3月期比12倍の89億円と、過去最高を計上した。自動車船マーケットの需給がタイト化する中で、不採算航路の運賃修復、効率配船などの収益改善策が奏功し、大幅な業績改善につながった。ウクライナ危機で2月末以降、停止となったロシア向けの配船も他の地域への代替投入が円滑に進み、輸送ニーズを着実に取り込んだ。

(1面参照)

 「主要全部門がそろって黒字化できたのは、従業員が一丸となって取り組んだ結果である。3月半ば時点で経常利益は過去最高の80億円を見込んでいたが、その後もさらに膨れ上がった。今回得られた利益を環境投資などESG(環境・社会・企業統治)の分野に積極的に振り分けたい」

 入江克行常務取締役はこう語る。

 売上高は67%増の679億円、営業利益は9・3倍の90億円、純利益は22倍の65億円となった。

 また、国内子会社が約19億円、14拠点の海外現地法人が約26億円の利益を上げた。

 ECL単体の売上高は87%増の428億円、営業利益は43億円(21年3月期は営業損失8億7600万円)、経常利益は11倍の46億円、純利益は67倍の45億円と、大幅な増収増益となった。

 2月末以降、自動車船、多目的船ともにロシア向けサービスを休止したが、スペースの逼迫(ひっぱく)する他の地域へ代替投入し、顧客の物流ニーズに応えた。

 自動車船は全体的に需給がタイトな状況が継続した。「4000台積みで日建て3万ドルなど、常軌を逸する値が付いた」(入江氏)という。

 在来船・多目的船では特に東南アジア諸国からのプラントなどの三国間輸送が目立ち、収益の積み増しに寄与した。

 好業績を受け、財務体質も改善。連結ベースで自己資本は57%増の203億円となり、自己資本比率は41・4%と7・1ポイントアップした。

 一方、今期(23年3月期)業績はコロナ禍、ウクライナ危機の長期化など取り巻く環境が不透明さを増す中で、現時点では未定としている。

 ただ、自動車船マーケットは引き続き高いレベルで推移すると予想。

 入江氏は「日本や韓国の自動車メーカーは、中国のロックダウン(都市封鎖)で中国製部品の輸入が遅れ、減産を余儀なくされている。そうした状況下でも足元の船腹需給はタイトだ。もし部品供給が正常化した場合、船が一層足らなくなることを懸念している」と語る。