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 印刷 2022年05月30日デイリー版1面

グローク、状況認識システム初受注。鶴見サンマリン、社船に採用

販売契約を結んだ両社関係者(グローク・テクノロジーズ提供)
販売契約を結んだ両社関係者(グローク・テクノロジーズ提供)

 自動・自律運航技術開発を手掛け、三菱商事などが出資するフィンランドの技術系スタートアップ「グローク・テクノロジーズ」は、同社開発の状況認識システム「グローク・プロ」を初受注した。同社に出資している内航タンカー船社の鶴見サンマリンが、社船での採用を決めた。「グローク・プロ」は、船の周囲の状況を監視するもので、複数のセンサーからのデータを一つにまとめ、専用タブレットの画面に表示する。グロークが同システムを受注するのは初となる。船員がこれを利用することで、夜間を含むブリッジでの監視作業の負担軽減などを見込む。

 「グローク・プロ」では、225度光学カメラと180度赤外線カメラの画像をシームレスに重ね合わせるほか、同カメラやAIS(船舶自動識別装置)、レーダー(オプション)などからの幅広いセンサーデータを組み合わせ、全ての情報が統合された一つの画面を表示する。

 タブレットのダッシュボード画面には、AR(拡張現実)画面とマップ(2D〈2次元〉海図と衛星地図モード)画面を表示。AR画面では、光学カメラと赤外線カメラそれぞれの画像を瞬時に正確に結合する。マップ画面上に警戒ゾーンを設定でき、その場合は同ゾーン内の船舶は全ての画面で黄色表示される。

 このほか、システム搭載船から距離が近い順でのAIS検出船舶のリスト表示や、画面上で選択した船舶の必要な情報表示などが可能となる。

 鶴見サンマリンは約150隻のタンカーを運航し石油製品を輸送。運航船のうち同社保有船全船に「グローク・プロ」を導入する。同社は製品開発段階からグロークに協力しており、今回商品化に当たりいち早く導入を決定した。

 グロークは、自動運航技術の開発を手掛けるロールスロイス・シップインテリジェンスチーム出身の4人により、三菱商事の出資を得て2019年に設立。日本の内航海運業界が課題とする船員不足や高齢化に焦点を当て、船員負担を軽減するソリューションの開発に取り組む。「グローク・プロ」は製品第1号。

 同社には三菱商事、鶴見サンマリンのほか、昨年までに国内からは三井住友ファイナンス&リース、上野トランステック、旭タンカー、海外からは独不定期船大手オルデンドルフ・キャリアーズがそれぞれ出資している。