ドローンの利活用の現状-想定される海事業界への影響の考察-
 印刷 2022年05月27日デイリー版1面

ウクライナ船員、欧州海運 代替急ぐ。侵攻長期化。総動員令で出国不可。交代期迫る

 ロシアによるウクライナ軍事侵攻が長期化する中、欧州の船主や船舶管理会社がウクライナ人船員の供給減に懸念を深めている。ウクライナでは国民総動員令により18―60歳の男性の出国が禁じられており、同国からの船員供給がストップした状況が継続。侵攻がさらに長期化すれば、乗船中のウクライナ人船員が相次いで交代時期に差し掛かり始めるため、フィリピンやインド、東欧など他の船員供給国からの代替が急務となる。

 「ロシアの侵攻開始から既に3カ月がたった。さらにこれから数カ月間この状態が続けば、交代時期を迎えるウクライナ人船員が増加し、課題が顕在化するだろう」

 欧州の船舶管理会社関係者は今後の船員の需給環境について、こう不透明感を指摘する。

 外航船員の一般的な乗船期間は6―9カ月程度とされる。しかし国民総動員令により、ウクライナに居住中の交代要員の船員は出国できないため、欧州の船舶管理会社は「侵攻の長期化に備え、ウクライナ人船員の減少に対処するために、他の国籍の船員を十分に確保するための緊急対応策を講じている」という。

 ICS(国際海運会議所)などによると、ウクライナ出身船員の総数は約7万6000人(職員4万7000人、部員2万9000人)で世界の船員の4%を占めており、タンカー乗組員の一大供給国として存在感を発揮している。

 邦船社の運航船にも一部乗船しており、2月末時点で日本船主協会加盟会社運航船のウクライナ人船員は約150人を数える。

 ITF(国際運輸労連)や欧州の船主、船舶管理各社は、ウクライナ船員とその家族へのサポートを目的に、同国に隣接するルーマニアやポーランドで宿泊施設や食事を提供している。

 交代期を迎えたウクライナ人船員は、家族が避難している隣接国の宿泊施設に向かうほか、出国禁止を覚悟でウクライナへの帰国を望むケースもあるようだ。