0629webinar_aoki
 印刷 2022年05月27日デイリー版2面

内航元請け、貨物・油送船とも増。21年度、鉄鋼回復・自動車急減

表・グラフ

 日本内航海運組合総連合会がまとめた2021年度(21年4月―22年3月)の主要元請けオペレーター(運航船社)60社の輸送実績によると、貨物船(鉄鋼など7品目)の輸送量は20年度比6%増と3年ぶりにプラスに転じた。半導体不足などに伴う減産が生じた自動車の輸送は急減したが、新型コロナウイルス禍で需要が落ち込んだ鉄鋼は生産が回復し輸送が大きく伸びた。油送船(黒油など6品目)も5%増。黒油やケミカル輸送が堅調で、白油も復調し6年ぶりにプラスに浮上した。

 ただ、貨物船、油送船ともコロナ禍前の19年度比では4%減と本格的な回復には至っていない。

 貨物船の輸送量は2億712万トンで、鉄鋼や雑貨も含めた5品目で前年実績を超えた。

 鉄鋼輸送は特に上期(4―9月)が前年同期比43%増。自動車関連向け需要が活発で19年度も上回る水準となった。下期(10月―22年3月)も6%増となったが、自動車生産停滞で輸送ペースが鈍化した。

 自動車は販売回復で上期は4%増となったが、下期は16%減。半導体や部品不足などによる減産で荷動きが落ち込んだ。

 雑貨はコロナ禍の消費低迷が響いた20年度からは回復したが、コロナ前の水準に復調していない。セメントはコロナ禍で工事延期や需要低迷が続き、前年度並みの輸送量にとどまった。

 油送船は1億977万キロリットル(黒油、白油以外はトン)で、全品目で前年度実績を上回った。

 黒油は転送需要が底堅く推移。白油は原油価格高騰でガソリン需要は減ったが、ジェット燃料は回復した。ケミカルはキシレン輸送が堅調だった。

■ロックダウン影響懸念

 今年度はコロナ禍からの脱却が期待されるが、中国の「ゼロコロナ」政策に伴うロックダウン(都市封鎖)や、ロシアによるウクライナ侵攻など国際情勢の影響も懸念される。内航総連の栗林宏𠮷会長は先週の会見で「中国のロックダウンで自動車関係の生産を中心に影響が出ている。自動車が生産できなければ、鉄鋼の消費も伸びない。予想以上に影響は大きい」と述べた。