ドローンの利活用の現状-想定される海事業界への影響の考察-
 印刷 2022年05月23日デイリー版2面

グローク、状況認識システム開発。日本の内航業界を支援、販売前イベント開催

オンラインで開催された販売前のイベント(中央がロッカCEO)
オンラインで開催された販売前のイベント(中央がロッカCEO)

 自動・自律運航技術開発を手掛け、三菱商事などが出資するフィンランドの技術系スタートアップ「グローク・テクノロジーズ」は、船の周囲の状況を監視する状況認識システム「グローク・プロ」を開発した。複数のセンサーからのデータを一つにまとめ、専用タブレットの画面に表示。これにより、夜間を含むブリッジでの船員による監視作業の負担軽減など、日本の内航海運を支援する。さらに、自律運航などでの活用を見込む。

 グロークは19日、「グローク・プロ」販売を前に記念のイベントをオンラインで開催した。

 「グローク・プロ」では、225度光学カメラと180度赤外線カメラの画像をシームレスに重ね合わせる(ブレンディング)ほか、同カメラやAIS(船舶自動識別装置)、レーダー(オプション)などからの幅広いセンサーデータを組み合わせて(センサーフュージョン)、全ての情報が統合された一つの画面を表示する。

 「例えばユーザーは、海図上に表示された物体が目視しているどの物体なのかを簡単に確認できる」(関係者)

 タブレットのダッシュボード画面には、AR(拡張現実)画面とマップ(2D〈2次元〉海図と衛星地図モード)画面を表示。AR画面では、光学カメラと赤外線カメラそれぞれの画像を瞬時に正確に結合する。マップ画面上に警戒ゾーンを設定することで、同ゾーン内の船舶は全ての画面で黄色表示される。

 このほか、システム搭載船から距離が近い順でのAIS検出船舶のリスト表示、画面上で選択した船舶の必要な情報表示などが可能となる。

 グロークでは、販売開始後も新機能追加や、日本語と英語で作成したアプリケーションの対応言語拡大などを進める。同イベントではこのほか、顧客が「グローク・プロ」を複数の船舶で採用した場合、各船の状況を一元的に把握可能な新製品「グローク・クラウド」の開発に着手したことも関係者が紹介した。

 グロークのユハ・ロッカCEO(最高経営責任者)は「今後数年のうちに自律運航船が市場に出てくるが、われわれがその一翼を担うことができればうれしい」と語った。

 グロークは、自動運航技術の開発を手掛けるロールスロイス・シップインテリジェンスチーム出身の4人により、三菱商事の出資を得て2019年に設立。当面の目標として、日本の内航業界向けソリューション提供を進める。三菱商事のほか、昨年までに国内からは三井住友ファイナンス&リース、上野トランステック、鶴見サンマリン、旭タンカー、海外からは独不定期船大手オルデンドルフ・キャリアーズがそれぞれ出資した。