ドローンの利活用の現状-想定される海事業界への影響の考察-
 印刷 2022年05月20日デイリー版1面

川重NACKS、64型BC2隻受注。3515万ドルで。中国も船価上昇鮮明

 川崎重工業の中国合弁造船所NACKS(南通中遠海運川崎船舶工程)は、ギリシャ船主グローバス・マリタイムから6万4000重量トン型(64型)バルカー2隻を受注した。納期は2024年後半。船価は1隻当たり約3515万ドルで、先週表面化した日本シップヤード(NSY)による同型船の受注船価は下回ったものの、足元の相場を上回る水準だ。中国建造でコスト競争力が高いNACKSも、鋼材高を受けて受注船価を引き上げているとみられ、バルカー新造船価の上昇傾向が鮮明になっている。

 グローバスが18日、NACKSとの間で64型バルカー2隻の建造・購入契約を総額約7030万ドルで締結したと発表した。1番船が24年7―9月、2番船が24年10―12月に竣工予定。

 グローバスは先週、6万重量トン級ウルトラマックスの同社初の新造整備として、今治造船とジャパンマリンユナイテッド(JMU)の商船営業・設計合弁会社NSYに64型バルカー1隻を発注したと発表済み。今回のNACKSへの発注分は同船型の2隻目、3隻目になるとしている。

 NSYへの発注船は、24年上期納期で船価が約3750万ドル。世界的に残り少ない期近船台だったこともあり、今春に日本造船各社が成約した同船型の受注船価で最高値水準だったとみられる。

 日本造船所は今年初め、ウルトラマックスを3500万―3600万ドルで成約していた。しかし、ロシアのウクライナ侵攻に端を発した資源高などを受け、鋼材や資機材価格のさらなる上昇を想定。3月以降は提示船価をもう一段引き上げている。

 一方、日系中国造船所であるNACKSの成約は今年に入って表面化していなかったが、日本建造ヤードの春先までの受注船価に近い水準で成約したことが明らかになった。英クラークソンの統計によると、足元のウルトラマックスの新造船価相場は3425万ドル。

 NACKSは20年、コロナ禍で新造案件が激減する中、ウルトラマックスを中心に表面化分だけでバルカー23隻を受注。日本品質とコスト競争力を併せ持つ強さが際立っていた。日本建造と中国建造の船価差は昨年から縮小傾向にある。