印刷 2022年05月20日デイリー版1面

ドライ貨物、バックホール拡大。露炭代替。南ア―欧州5割増

 ドライバルク市場で欧州向けのバックホール(太平洋―大西洋)貨物が増加している。対ロシア経済制裁に伴い、欧州各国がロシア炭の代替ソースとして豪州や南アフリカ、インドネシアからの石炭調達を拡大。英国の船価鑑定大手ベッセルズ・バリュー(VV)によると、年初来の欧州向けドライ貨物荷動き(出荷時点ベース)は豪州積みが前年同期比2割増の849万トン、南ア積みが5割増の873万トンに伸長している。

 ドライ荷動きデータはVVが船舶トラッキング情報を基に算出。年初来の豪州積み―欧州揚げトレードは77航海、南ア積み―欧州揚げは82航海が報告されている。

 船型は18万重量トン級ケープサイズ、7万―8万重量トン級パナマックスが中心のほか、5万―6万重量トン級スープラマックスや3万重量トン級ハンディサイズの中小型船でも輸送されている。

 EU(欧州連合)は4月上旬、ウクライナ危機を受け、ロシア炭の輸入禁止を発表。8月半ば以降の輸入停止が見込まれている。

 欧州のロシア炭輸入額は年40億ユーロ(約5400億円)規模に上るが、既に遠距離ソースの豪州や南ア、米国、インドネシアへのシフトが加速しつつある。

 欧州向け豪州炭、南ア炭、インドネシア炭の増勢により、ドライ市況では従来、不採算航路だったバックホール航路の用船レートが上昇。

 18日付スープラマックス市況のバックホール用船料は3万6700ドルの高水準を付けており、太平洋ラウンドや大西洋ラウンドの2万8000―2万9000ドル台、フロントホール(大西洋―太平洋)の3万2000ドル台を上回っている。