印刷 2022年05月13日デイリー版4面

IATA集計、3月航空貨物5%減。15カ月ぶりマイナス。SC混乱拡大

 IATA(国際航空運送協会)が公表した3月の航空貨物輸送実績によると、総貨物トンキロ(CTK)は前年同月比5・2%減だった。マイナスに転じるのは15カ月ぶりになる。新型コロナウイルスの感染が広がる中国でのロックダウン(都市封鎖)、ロシアによるウクライナ侵攻の影響などでサプライチェーン(SC)の混乱が拡大している。

 IATAによると、ウクライナ侵攻、アジアでの新型コロナウイルスの変異種オミクロン株の流行により、エネルギーコストの上昇やSCの混乱が深刻化している。世界的にインフレ圧力が高まっていることを背景に、1年前と比較して空輸を含む出荷される商品の数が減少しているという。

 ウィリー・ウォルシュ事務局長は、戦争の終結と中国での防疫対策の緩和が短期的には望めないとした上で「旅客市場が回復を加速しているのと同じように、航空貨物の課題が今後増えることが予想される」と述べた。

 3月の供給量は前年同月比で1・2%増(国際は2・6%増)とプラスだが、2月(11・2%増)から大幅に減少した。特にアジアと欧州での低下が顕著だった。ロシアとウクライナを拠点とする航空会社数社が貨物の主要な担い手であったため、ウクライナ侵攻の影響で欧州向けの供給量が縮小。アジアでも中国と香港の「ゼロコロナ政策」が供給量を下押しした。

 3月の国際航空貨物需要を地域別で見ると、アジア太平洋は前年同月比5・1%減だった。北米は0・7%減。アジア―北米間の需要が大幅に減少した。欧州は11・1%減と、全地域で最大のマイナス幅となった。ウクライナ侵攻の影響で欧州市場は大幅に下落し、前月比で19・7%減少。オミクロン株の流行によるアジアの労働力不足と製造業活動の低下も需要を下押しした。

 中東は9・7%減少。中南米、アフリカは共に前年同月を上回った。