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 印刷 2022年05月12日デイリー版2面

市況2022】ケープ、今年最高値。太平洋でタイト化。航路平均2.8万ドル

 18万重量トン級ケープサイズバルカー市況は10日付の主要航路平均レートが前日比2291ドル高の2万8703ドルに上昇し、今年最高値を更新した。6営業日続伸となり、過去1週間で1万ドル強上昇。豪州の資源会社が期近のスポット船確保を活発化しており、太平洋の船腹需給がタイト化。さらにインド向けインドネシア・豪州炭、欧州向け豪州・南アフリカ炭の荷動き増勢でバックホール航路(太平洋―大西洋)も2万ドル超と異例の高水準を付けている。

 10日の航路別用船レート指標は太平洋ラウンドが前日比3604ドル高の3万2271ドルと最も高い上げ幅を記録し、マーケットをけん引した。

 太平洋マーケットでは西豪州の鉄鉱石出荷の活発化を背景に、豪州資源会社が日本・中国フリーの期近ポジションで船腹確保を急いでいる。

 邦船社のドライバルク担当者によると、「西豪州積みの配船スケジュール的にギリギリのタイミングでの用船が目立っている」という。

 さらにインドが電力確保を目的に石炭調達を増やしていることで、豪州炭、インドネシア炭のインド向けトレードに従事するケープサイズが増加。太平洋の船腹需給タイト化に拍車を掛けている。

 豪州―インド間の輸送は、バックホール航路の一部として捉えることができる。従来は不採算ルートだったバックホール航路では、ウクライナ危機に伴う欧州のロシア炭輸入制限の影響で、欧州向けに豪州炭、南アフリカ炭の代替需要も増加。10日付のバックホール指標は2万875ドル(前日比1810ドル高)に上昇している。

 このほかの10日付航路別レートは大西洋ラウンドが1650ドル高の2万1550ドル、フロントホール(大西洋―太平洋)が2125ドル高の4万4400ドルにそれぞれ続伸している。

 FFA(運賃先物取引)も底堅く推移し、7―9月期の主要航路平均レートが3万7000ドル台、10―12月期が同3万2000ドル台と先高観が漂う。

 ただ、邦船関係者は「この1―2週間の上昇がかなり急激だったため、このままの勢いが続くとは考えにくい。どこかで調整局面に入ることも想定している」と冷静な見方を示す。