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 印刷 2022年05月12日デイリー版3面

アルプス物流・新中計、売上高1400億円。東欧・北米・インド拡充。過去最高益へ

 アルプス物流は2023年3月期(今期)―25年3月期の中期経営計画で、最終年度の数値目標を売上高1400億円(前期実績1138億円)、営業利益率5・3%以上(同5・3%)とし、売り上げ・営業利益ともに過去最高の更新を目指す。主力の電子部品物流で展開する物流プラットフォーム(PF)を軸に事業地域と領域を拡大。海外では東欧、北米、インドなど各国での事業を強化する。3年間の設備投資額は約264億円を計画する。

 11日、臼居賢社長らがオンラインで会見し、中計の概要、前期業績と今期見通しを説明した。

 アルプス物流の電子部品物流PFは国内で1900社が貨物の共同保管・共同集配に利用し、集配先数は1日当たり7500カ所に上る。今後はPFの利用効果として物流効率の向上に加え、環境負荷軽減効果を打ち出す。電子部品以外の分野への応用も検討する。

 臼居社長は「顧客ごとにカスタム対応をしながら、効率的に物流を行えるPFの強みに磨きをかける」と話した。

 東欧などの海外ネットワークを拡充する狙いは、主に車載用電子部品の取り扱い拡大にあるという。特にインドでは現在の3拠点を6拠点以上に増やす考え。また、東南アジアではタイで倉庫を増設するなど倉庫保管能力を増強する。フィリピン、インドネシアでの拠点開設も検討する。

 国内では横浜市、愛知県小牧市に新倉庫を建設するなど主要拠点の保管能力の拡大に取り組む。埼玉県加須市では倉庫の増設を検討する。東日本地域に比べて拠点の少ない西日本での展開も推進する。

 顧客と市場の拡大を図る一環として、車載・産業機械用関連の取り扱いを増やし、車載関連の比率を30%から35%に引き上げる。非日系顧客の開拓や輸出入サービスの充実などにも取り組む。

 3年間の設備投資額約264億円のうち、電子部品関連に約195億円を充てる。倉庫建設や海外拠点の新設・整備に加え、環境関連設備・車両の導入、自動化設備の整備を行う。

 このほか、同業他社との業務提携も、資本提携を含めて検討する。業務提携を視野にスタートアップ企業を支援し、物流業界に新技術を導入する活動も推進する。

 一方、生協の宅配やEC(電子商取引)関連の物流を手掛ける消費物流では、共同物流を原動力に川上、川下領域のBtoB(企業間)物流に対象を拡大。化粧品、医薬品、食品など新規顧客の開拓も進める。

 電子部品物流、消費物流ともに、業務の自動化を継続する。業務プロセスの改善と併せて、従業員の労働負荷軽減、生産性の向上に取り組む。

■国際輸送で緊急案件減少

 今期の業績予想は売上高が前期比1%増の1150億円、営業利益が4%減の58億円、経常利益が10%減の55・5億円、純利益が10%減の32・5億円。売り上げ・利益ともに過去最高を更新した前期から減益となる。

 電子部品物流では国内を中心に運送・保管が増加するが、年後半ごろから国際物流の逼迫(ひっぱく)が徐々に正常化に向かう想定。緊急輸送などの減少と競争の激化を見込む。

 新型コロナウイルス禍で抑制していた営業活動の増加による費用など固定費の増加も重荷になる。半導体不足やウクライナ問題による自動車メーカーの生産調整も響くほか、中国・上海のロックダウン(都市封鎖)も影響する可能性があるという。

 今後の国際物流の動向について臼居社長は、航空輸送は旅客便の復便に伴い、需給逼迫が緩和していくと予想。海上輸送については北米西岸港湾の労使交渉の影響が懸念され、「海上貨物はなかなか見通せない。労使交渉の結果がどうなるか分からないが、メキシコ港湾の利用などの対策を打っていく」と述べた。