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 印刷 2022年05月12日デイリー版3面

ニチレイ、低温物流に435億円投資。新中計、海外売上高も拡大

 ニチレイは10日、2025年3月期を最終年度とする新中期経営計画「Compass Rose2024」を発表した。3年間で成長投資615億円を予定するが、うち7割強の435億円を低温物流事業に投じる。また、最終年度の海外売上高目標1300億円のうち、低温物流が半分の638億円を占めるなど、中計推進において低温物流が大きな役割を果たすことになる。

 前中計の最終年度となった22年3月期、低温物流事業は売上高2245億円、営業利益146億円を計上。目標数値に対して、売上高は25億円届かなかったが、営業利益は19億円上回った。適正料金の収受や業務革新など事業体質の強化が奏功した。

 新中計ではサステナビリティー(持続可能性)経営加速を打ち出し、ROIC(投下資本利益率)に基づく事業ポートフォリオ管理を導入。成長分野への設備投資、海外事業拡大などに、経営資源を優先的に配分していく。

 新中計の最終年度となる25年3月期、低温物流事業は売上高2600億円、営業利益162億円を掲げる。それぞれ22年3月期から年平均(CAGR)5%、3・5%の成長を目指す。

 低温物流事業の基本戦略では、ドライバーの労働規制が厳格化される24年に向けた事業基盤の構築など、持続的な成長への取り組みを打ち出す。デジタル化や、自動化・省人化技術の積極的な導入なども進める。国内では冷凍食品物流プラットフォームの構築などを通じて競争力を強化する。

 海外では、主力の欧州でエリア拠点の増強、広域運送ネットワークの強化などを推進。中国では華東地区外への拡大、東南アジアでは保管・運送機能の連携強化による一貫物流サービスの拡大を打ち出す。

 25年3月期全社業績目標は売上高6600億円、営業利益370億円、経常利益378億円、純利益245億円。

■海外物流47%増益

 ニチレイ低温物流事業の22年3月期業績は、売上高が前の期比6%増の2245億円、営業利益が12%増の146億円。国内・海外ともに堅調で、荷役作業・車両調達コストが上昇したが、業務改善や運送効率化で増益を確保した。

 セグメント別では、国内の物流ネットワークが売上高微増の1029億円、営業利益8%増の55億円。地域保管が売上高3%増の714億円、営業利益が14%増の79億円。

 海外事業は売上高26%増の459億円、営業利益が47%増の20億円。欧州では英国のEU(欧州連合)離脱に伴い通関の取り扱いが増加したほか、小売店向け配送などの需要を着実に取り込み増収増益となった。

 全社業績は売上高5%増の6026億円、営業利益5%減の314億円、経常利益6%減の316億円、純利益10%増の233億円だった。タイでの新型コロナウイルス感染拡大による生産子会社の稼働低下や原材料・仕入れコストの上昇などで加工食品事業が苦戦し、営業・経常減益となった。