印刷 2022年05月10日デイリー版5面

ニュース深読み/定航】運賃市況、上海情勢次第か。SC 倍水準で決着

 デスク コンテナ船社の2022年1―3月業績が相次ぎ発表されている。いずれも過去最高水準の利益を計上しているが、この話題は全て出そろってからの来月に譲るとして、市況の動向を振り返ってもらおう。

 A 航路によってやや濃淡がある4月となりました。上海航運交易所が発表する代表的なスポット運賃指標SCFIを見てみると、アジア発北米東岸向けはピーク時からは下落したとはいえ、依然として40フィート型当たり1万ドル台を維持しています。西岸向けもやや軟化しつつも、8000ドルに近い水準で、これも歴史的な高値であることに変わりはありません。

 B 一方、欧州航路はウクライナ情勢が大きく影響してか、3月から下落が続いています。特にアジア発欧州北部向けは、昨年末のピーク時から2割近く下落していますね。他航路も横ばいに近い値動きになっています。

 デスク 全体として、軟化傾向にあると見ていいのか。

 A かなり見方は分かれますね。ピーク時から軟化しているのは事実ですが、北米航路では依然として荷主の出荷意欲が旺盛です。中国・上海でのロックダウン(都市封鎖)長期化で生産・出荷が急減速しており、これが運賃市況に影響を与えているのは確かですが、軟化は一時的なものとなる可能性もあります。一大出荷地である中国経済全体への影響もあるため、今後の市況は上海情勢次第という側面もありますね。

 C マースクの22年12月期通期業績予想はEBITDA(金利・税引き・償却前利益)300億ドルと、前期の240億ドルをさらに上回る見通しです。これは1―3月期業績と同時に発表した見通しで、上海問題もある程度織り込み済みのはずです。足元では「22年中の市況軟化はない」と見ていることの証左でしょう。

 デスク サービスコントラクト(SC)の更改交渉はどうなった。

 B 今年はBCO(実荷主)がスペースを確保しようと、例年より早い動き出しとなりましたが、日本発の交渉はほぼ完了しました。もちろん個別の事情はありますが、おおむね前年比で倍以上の運賃水準で決着したようです。

 A 昨年は相次ぐ欠便などで、SC運賃での船積みができないケースが続出しました。22年度のSC契約運賃は、より実勢レートを反映した水準に落ち着きました。ただ、スケジュールの乱れは今年も大きく改善していないため、実際の船積み運賃がどうなるかは、しばらく様子を見ないと分かりません。

 デスク なるほど、今月から北米西岸港湾労使交渉も始まる。先ほど話題に出た上海情勢、ウクライナ情勢など、不確定要素が多過ぎるな。情勢の変化を都度報道してくれ。