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 印刷 2022年05月02日デイリー版2面

内航船、適合C重油10万円超。最高値。4―6月期参考仮価格

 内航船や国内フェリーの運航コストの3―4割程度を占める燃料油価格が記録的な高騰を続けている。船舶燃料油を販売する兼松ペトロは4月27日、SOx(硫黄酸化物)規制に適合した内航船向け低硫黄C重油(内航燃料油価格)の4―6月期参考仮価格を1キロリットル当たり10万4200円と内航船社に提示した。ウクライナ情勢などを背景にした原油価格高騰や円安進行で、1―3月期の内航燃料油決定価格に比べ1万9900円高い。適合油の値決めが始まった2019年10―12月期以降で最高値となった。

 「原油価格高騰が続く中で一定程度の値上がりは想像していたが、予想以上の値上がり。コロナ禍からの回復を図る中で苦しい」

 内航海運関係者は今回の価格提示について、こうコメントした。

 原油価格は1バレル=100ドル前後で推移。ロシアによるウクライナ侵攻の影響などで高値水準が続く。さらに、円安が進行し、原油輸入価格が上昇していることも燃油価格の上昇につながっている。

 政府は内航船社などの経営環境悪化を招く状況を踏まえ、内航船で使用する重油も対象に、燃油価格高騰への激変緩和対策事業を実施。石油元売り会社に補助金を支給している。同措置への対応は、各燃料販売会社と船社の間で個別に協議する形を取っている。

 1―3月期の内航燃料油交渉では、同価格を巡って最も早く妥結した第一中央汽船と伊藤忠エネクスの間で適合C重油価格が8万4300円で決着。6月下旬にも決まる4―6月期の決定価格も仮価格と同水準になれば、6四半期連続の上昇となる。

 内航燃油価格はフェリー・内航業界で燃料油価格変動調整金の指標として採用する船社も多い。同価格は20年1月からのSOx規制に適合した燃料油の価格として、規制開始前の19年10―12月期から船舶用燃料油販売特約店と内航船社の間で値決めを始めた。