印刷 2022年04月26日デイリー版3面

JAFA鳥居会長、航空貨物輸送の体制維持。スペース安定供給に課題

会見する鳥居会長
会見する鳥居会長

 航空貨物運送協会(JAFA)の鳥居伸年会長らは22日、東京都内で会見し、航空貨物市場の見通しや2022年度の活動方針について説明した。日本発着の航空貨物の荷動きは、輸出入ともに新型コロナウイルス禍前の19年度水準まで回復したが、スペースの安定供給などで課題が残る。鳥居会長は「フォワーダー業界として果たすべきエッセンシャルワーカーとしての役割に各会員と向き合い、航空貨物輸送の体制を維持していく」と述べた。

 21年度の日本発着の航空混載実績は、輸出重量が前年度比32%増と3年ぶり、輸入件数が2%増と4年ぶりにプラスに転じた。

 一方で、航空貨物業界は、コロナ禍による国際旅客便のベリースペース(旅客機の貨物室)の減少に、混乱の続く海上輸送からのシフトなどが加わり需給逼迫(ひっぱく)が常態化している。

 中国・上海空港での感染症対策のための貨物取り扱い制限に加え、ウクライナ情勢で欧州便への影響も出ている。日本を含む東アジアと欧州間の航空貨物輸送は、ロシア上空を飛行していた航空機の飛行ルート変更でスペース供給減が深刻になっているほか、燃料高騰などが貨物運送コストを押し上げている。

 鳥居会長は見通しについて、「(航空へのシフトが続く)海上輸送の混乱はすぐに改善されるものではない」とした上で、「航空輸送に対する市場からの引きは強い。ロックダウン(都市封鎖)で生産活動がスローダウンしている中国市場が回復してくれば、それなりの物量が見込める」との見方を示した。ただし、経済活動が落ち込むと先行きが再び不透明になる可能性があるとした。

■3本柱で活動推進

 22年度の基本方針については「産業のサプライチェーンの見直しやデジタル化、脱炭素化への社会的な関心が高まっている。こうした状況に対応し、知見の共有や人材の育成など次の時代への備えを進めていくことが求められる」とし、安全・教育訓練・物流の効率化の3本柱で積極的に活動していく考えを示した。

 航空保安分野では先月10日に航空法が改正され、航空機搭乗前の保安検査が義務化された。JAFAでは航空貨物に対する保安検査について、22年度予算の概算要求に成田国際空港や関西国際空港などを発地とする貨物の爆発物検査装置の購入費用などに関わる国庫補助を盛り込むよう要請した。

 国際資格「IATA(国際航空運送協会)ディプロマ」認定試験は、21年からリモート監視付きのオンライン試験になっている。今後もオンライン方式を活用しながら、会員のニーズに応じた教育訓練事業を進める。

 また関係省庁との対話や調整では、財務省関税局との定期的な意見交換を継続。20年に関税局が発表した税関行政の中長期ビジョン「スマート税関構想2020」やAEO(認定事業者)制度などに対する会員の理解を深めていく。