印刷 2022年04月04日デイリー版1面

市況2022】スープラ型、バックホール高騰続く。ウクライナ危機。船主、大西洋を嫌気

 5万―6万重量トン級スープラマックスバルカー市況でバックホール航路(太平洋―大西洋)の高騰が続いている。ウクライナ危機に伴い、大西洋での船回しの混乱など運航リスク上の懸念が高まり、船主側が大西洋に向かうトレードを敬遠。極東積み―欧州揚げ鋼材や大西洋向け石炭・穀物輸送にプレミアム用船料が付いており、3月上旬以降、主要航路の中でバックホールが最も高い「異例の展開」(邦船大手のドライバルク担当者)が続いている。

 海運情報サービス会社トランプデータサービス(本社・東京都)によると、3月31日付のスープラマックス市況は、太平洋―大西洋のバックホール用船料が4万450ドルと1カ月前に比べて1・5倍に上昇。

 他の主要航路の太平洋ラウンド=3万317ドル、大西洋ラウンド=2万8658ドル、フロントホール(大西洋―太平洋)=2万8271ドルを大きく上回っている。

 ドライバルク市場では従来、大西洋から太平洋に向かうフロントホールが最も高くなる傾向がある。太平洋は、中国で貨物を揚げ終えたフリー船が多く、船腹需給が緩和しやすいため、相対的に需給がタイトな大西洋から太平洋に向かうフロントホールには実質的なプレミアム用船料が加わる局面が多い。

 しかし2月下旬のロシアによるウクライナ軍事侵攻でマーケット構造が一変。大西洋の市場環境に不透明感が強いことで、バックホールがフロントホールを上回る逆転現象が生じている。

 邦船社のドライ担当者はバックホール高騰について「ウクライナ危機が背景にある。黒海などから貨物が出てこず、大西洋での船回しの混乱が予想される。危険も高まっているため、誰も行きたがらなくなっている」と指摘。

 その上で「われわれもバックホールで船を引いてくる際に影響を受けている。どれだけ長期化するかはウクライナ情勢次第だ」と話す。

 一方、太平洋水域の輸送需要は堅調なため、太平洋に向かうフロントホール航路に船主の人気が集まっており、船腹余剰感に伴い、米ガルフ―極東航路などに下げ圧力がかかっている。