印刷 2022年02月28日デイリー版1面

出身国比率、露・ウクライナで14%超。比・印船員で代替も

 ロシアのウクライナへの軍事侵攻、欧米の経済制裁といった混乱を受け、海運業界ではロシア人船員、ウクライナ人船員への影響も注視されている。ICS(国際海運会議所)などによると、両国出身船員の総数は27万人超で世界の船員の14・5%を占める。日本商船隊での起用は限定的だが、邦船社の船舶管理担当者は「両国船員の手配が世界的に長期にわたり滞れば、フィリピン人やインド人で代替しようという機運も高まる」とし、邦船勢の船員配乗にも影響が及ぶ可能性を指摘する。

 ICSとBIMCO(ボルチック国際海運協議会)の24日の発表によると、ロシア人船員は19万8123人(職員7万1652人、部員12万6471人)、ウクライナ人船員は7万6442人で計27万4565人に上る。

 邦船社の担当者によると、世界的に両国の船員はタンカー、バルカーを問わず、さまざまな船種に乗船している。

 日本商船隊での起用は限定的で、2021年1月時点で両国船員合わせて1%に満たないとのリポートもある。だが、ウクライナ情勢の混乱が長期化し、両国の船員の手配が難航すれば、フィリピンやインドといった邦船勢の主要な船員供給ソースで代替する動きも起こり得る。

 ロシア、ウクライナの船員手配を巡っては、不透明感が既に漂い始めている。モスクワ(ロシア)発着のフライトの欠航を発表する航空会社も出始めたほか、ロシア人船員に関しては、米国の経済制裁で、給与の円滑な支払いが難しくなる可能性も浮上。複数のメディアではキエフ(ウクライナ)空港の空爆が伝えられている。

 混乱が長期化すれば、「ただでさえ、コロナ禍で船員交代が停滞する中、両国の船員の手配、交代は一層難しくなる」(同担当者)。