印刷 2022年01月06日デイリー版3面

日新、医薬品の国際輸送可視化へ。スズケンと実証実験

 日新は昨年12月29日、薬品卸大手スズケングループと共同で、医薬品の国際輸送を想定した輸送実験を実施したと発表した。パナソニックの真空断熱保冷ボックス「VIXELL(ビクセル)」を活用。日新が導入を検討するIoT(モノのインターネット)デバイスを組み合わせ、厳格な温度管理が求められる医薬品輸送の可視化サービス確立を目指す。

 コロナ禍を背景としたワクチン輸送など、医薬品の国際輸送ニーズは増大しているが、医薬品取り扱いの国際規格「GDP」の導入などにより、厳格な温度管理が求められている。

 実証実験は昨年9月14日から22日にかけて実施。保冷ボックスの温度維持能力や、IoT通信・タグセンサー機能、国際一貫輸送での許認可、通関上の課題などを検証した。また、10月4日まで、保冷ボックスの保温機能の実験として、日新の京都営業所で保管し、計測を継続した。

 国際輸送では、スイス・バーゼル倉庫から、スズケンの阪神物流センター(神戸市北区)までの航空輸送・陸上輸送を対象とした。保冷ボックスの容器内温度をドライアイスでマイナス60度以下に設定。IoTデバイスの親機に国際ローミング可能なSIMを挿入し、センサータグを保冷ボックスの外面ポケットに設置し、測定ポイントを通過する際に計測を行った。

 検証の結果、保冷ボックスはLサイズで19日と3時間、Sサイズでは9日と12時間、マイナス60度を保持できたという。また、センサータグが計測したデータがスイス、ベルギー、日本の各ポイントから通信網を通じてクラウドに格納され、阪神物流センター到着前に、温度・湿度、照度、衝撃度などのセンサー情報をインターネット管理画面で確認することが可能だった。保冷容器は事前に税関に相談し、通い容器として申告。免税で輸入許可を得ることができた。

 3社は今後、今回の実証実験で得た知見、ノウハウを生かし、医薬品業界のニーズに沿った国際物流の実現に取り組む方針だ。