印刷 2022年01月06日デイリー版2面

海運大手3社、成長への新フェーズに。トップが新年あいさつ

長澤仁志氏
長澤仁志氏
橋本剛氏
橋本剛氏
明珍幸一氏
明珍幸一氏

 海運大手3社は5日までに各社トップの年頭あいさつを発表した。日本郵船の長澤仁志社長はESG(環境・社会・企業統治)経営を推し進め、「世界一の総合物流企業を目指す」決意を表明。商船三井の橋本剛社長は「低・脱炭素事業への投資」と「グループ経営強化」を重点テーマに掲げた。川崎汽船の明珍幸一社長は業績改善により経営が「新しいフェーズ」を迎え、より成長に重点を置き前進していく意志を示した。

■総合物流世界一へ

■長澤仁志・日本郵船社長

今期は連結経常利益7100億円と、過去最高益を大幅に更新する見込みだ。当社グループに追い風が吹いた事実はあるが、その風をしっかりと受け止め、新型コロナウイルス感染症による混乱の中にもかかわらず、日々の業務に一生懸命に取り組んでくれた全グループ社員の努力のたまものだと思っている。

 「NYKグループESGストーリー」を発表以来、さまざまな活動を通じて意識改革を図り、グループ全体にESG経営が浸透してきたことに手応えを感じている。ESG経営を強く推し進めていくことで、お客さまや社会からの信頼を勝ち取り、それが当社グループの確固たる地位につながっていく。全グループ社員の力を結集して、世界一の総合物流企業を目指そうではないか。

■低・脱炭素に投資

■橋本剛・商船三井社長

今年はLNG(液化天然ガス)燃料船への投資を加速することに加え、洋上風力発電事業などの低・脱炭素事業への投資、DX(デジタルトランスフォーメーション)を活用した運航効率改善などの環境負荷低減への取り組みも強化していく。

 グループ経営の強化も新年の最重要課題の一つになる。ダイビルと宇徳の完全子会社化が実現した暁には、両社がこれまで以上にグループの経営資源を効果的に活用して成長できる体制を整備していく。

 ポストコロナ時代の新たな働き方の探求も重要なテーマだ。オンラインと対面、それぞれのコミュニケーション方法の良い部分を組み合わせ、生産性向上につなげていくことが求められている。

■より成長に重点

■明珍幸一・川崎汽船社長

業績の改善により当社は新しいフェーズを迎えている。今期に残る船隊適正化や不採算事業の構造改革をやり遂げることで、自営事業の競争力の回復を図り、今後はより成長に重点を置いて前に進んでいかなければならない。

 さらに当社を強くするためにどの分野に経営資源を投入していくのか、また、環境対応船の提供など、環境負荷低減や輸送品質の改善に向けて、当社がいかに付加価値を提供していくのかを新たな事業計画に織り込む必要がある。

 既存事業の強化と成長戦略を同時に追求するのは容易ではないが、リターンとのバランスが取れるリスクを見極めながら、新たな取り組みも進めていきたい。