印刷 2022年01月06日デイリー版2面

年頭所感】造船重機大手各社、環境対応へ決意

 造船重機大手各社のトップは5日、一斉に2022年の年頭あいさつを行った。新型コロナウイルス感染拡大が続く中、ESG(環境・社会・企業統治)経営や脱炭素社会を意識した商品開発へ取り組む決意が目立った。

■千葉光太郎・ジャパンマリンユナイテッド(JMU)社長

世界経済は、国や地域によるばらつきを伴いつつも、回復の傾向にある。当社も受注状況が大きく改善し、おおむね2年から2年半分の工事量を確保することができた。背景には、市況の回復のほか、今治造船との提携効果と営業設計合弁会社「日本シップヤード(NSY)」の設立効果があったことは言うまでもない。

 艦船事業では、昨年は各事業所・グループ会社で米軍修理にも挑戦し、着実に成果を上げている。今後も修理専門の事業所として再出発した舞鶴事業所(京都府舞鶴市)をはじめ、JMUグループ全体として修理事業を確実に発展させていく。

■橋本康彦・川崎重工業社長

当社グループの水素を「つくる・はこぶ・ためる・つかう」というサプライチェーン構築の技術が認められ、カーボンニュートラル実現を目指す多くの企業・団体との協業が進んでいる。こうした意志ある仲間づくりでも、当社グループは存在感を示すとともに、自らも各事業所での脱炭素化を推進し、30年にカーボンニュートラルを達成することを目標に、グループ一丸となって、「水素でカーボンニュートラル実現」を目指していく。

■下村真司・住友重機械工業社長

社会課題の解決について、21年9月にサステナビリティー基本方針を制定、10月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言への賛同を表明した。温室効果ガス(GHG)の排出削減、環境配慮製品の開発、資源の有効活用など環境負荷低減への取り組みを積極的に進め、持続可能な社会の実現を目指す。

■岡良一・三井E&Sホールディングス社長

われわれが存続、成長するため、社会への関わりが一層重要視されるようになった。SDGs(持続可能な開発目標)のようにサステナビリティーを重視する変化は、新しい技術による製品開発など、当社グループにとって新たなビジネスのチャンス。

 強みのあるマリン事業領域を軸に、水素・アンモニアの舶用燃料利用やカーボンニュートラルポート(CNP)の実現など、大きな社会課題である「クリーンエネルギーへの転換」や、遠隔・自動化ポートの実現および各種探査・診断技術の活用など、「デジタル化の推進」を成長機会と捉え、早期にそれぞれの成果を出すことを目指す。

■泉澤清次・三菱重工業社長

「世界経済の回復基調を確実に捉えた事業目標の達成」「『MISSION NET ZERO』の達成に向けた具体策の立案と実行」「成長戦略に基づいた三菱重工グループの将来像の明確化」を進め、23年度の最終目標達成をより確実なものにしていく。

脱炭素化の課題解決の進め方は国や地域によって異なり、条件やニーズに合わせた解決策の提案が求められており、当社グループの幅広い技術、製品、サービスの提供により社会の課題を解決してお客さまから信頼されるグループとして発展していく。

■井手博・IHI社長

当社はエネルギー分野でCO2(二酸化炭素)排出削減の重要性を見据え、10年以上前からアンモニア燃料に着目し、燃焼技術の開発に取り組んでいる。この技術が現在、気候変動対策の一つとして世界中で注目されている。

 極めて不確実性が高く先が読めない時代だからこそ、お客さまや社会にとって付加価値の高い製品やサービスをタイムリーに提供し、「IHIグループが新たな市場を創る」という気概を持って進むべきであると考えている。