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 印刷 2022年01月05日デイリー版12面

新年号 コンテナ物流・港湾編】横浜港、競争力強化へDX推進

本牧埠頭沖合(右奥)では、新本牧埠頭埋め立て工事が進む(横浜市港湾局提供)
本牧埠頭沖合(右奥)では、新本牧埠頭埋め立て工事が進む(横浜市港湾局提供)

 横浜港ではデジタルトランスフォーメーション(DX)による生産力向上の取り組みが進んでいる。国土交通省、横浜市、港湾関係団体の官民が一体となってICT(情報通信技術)を活用することで、生産性の高い港づくりが目的。施設整備では、南本牧埠頭の整備完了に伴い、既存コンテナ埠頭の再編強化と新本牧埠頭の整備が本格化している。

 南本牧埠頭では昨年3月30日、新しい港湾情報システム「CONPAS」が全国の港湾に先駆けて本格稼働した。コンテナ輸送に関するリアルタイム情報の共有・活用により、コンテナターミナル(CT)ゲート前の混雑解消やコンテナトレーラーのCT滞在時間の短縮を目指す。同じく4月1日から第1次運用を開始した港湾関連データ連携基盤「Cyber Port(サイバーポート)」と連携し、「搬入情報の事前照合機能」の常時運用も始まった。

 CONPASによるゲート待ち時間の短縮効果については、昨年11月に開かれた第10回「ICTを活用した横浜港コンテナ輸送効率化検討会」で報告された。それによると、10月時点の南本牧CTでのCONPASの登録は85店社で、稼働開始以降1日当たりの予約件数は平均217件、最大では592件。4月22日から5月12日の期間中の平均ゲート前待機時間は、非予約者が30分、予約者が7分。CT全体での搬入車両の総待機時間の削減率は平均で約6%だった。

 同会合では、待機時間のさらなる削減のためには、CONPASの利用率向上が必要と指摘。その方策として、トラック協会海上コンテナ部会を対象とした説明会や、CT周辺への横断幕掲示などの広報活動が挙げられた。

 今年度中には、本牧BC―2ターミナルで搬出入予約機能の運用と、予約情報を活用したコンテナヤード内の荷役効率化に関する取り組みを検証する試験運用も行う予定。

 施設整備のうち、既存埠頭の再編強化では、本牧埠頭D―5の借受者が南本牧に移転したことでD―5の荷役方式をストラドルキャリアからRTG(タイヤ式トランスファークレーン)に転換する再整備に着手する環境が整った。将来的には本牧埠頭D―4・5を、全長700メートルの連続バースとして一体的に運用し、大型船接岸に対応する。

 新本牧埠頭は、本牧埠頭沖合を逆L字状に埋め立てて、世界最大級のコンテナ船が2隻同時着岸できるよう岸壁水深18メートル、延長1000メートルの大水深・高規格CTと高度な流通加工機能を持つロジスティクス施設が一体となった物流拠点を形成するプロジェクト。このうち水深18メートル岸壁については、海底地盤の改良工事が完了し、昨年11月には同岸壁本体の築造に向けた鋼板セルの据え付け工事も始まった。