ロシア鉄道回廊の可能性 -日本発欧州向けの新ルートへ-
 印刷 2021年11月09日デイリー版3面

香港貿易発展局、航空貨物でフォーラム。大湾区開発・越境ECテーマに

 香港貿易発展局は2日、オンラインで航空貨物輸送に関するフォーラムを開いた。中国政府が広東省と香港、マカオを巨大な経済圏に見立てて一体開発する「粤港澳大湾区(グレーターベイエリア)」構想や越境EC(電子商取引)をテーマとし、香港を取り巻く経済や物流の現状などを紹介した。

■香港空港利用に期待

 プライスウオーターハウスクーパースのチャールズ・リー華南・香港地区税務リーダーによると、グレーターベイエリアは人口8600万人で高い人口増加率を背景に若い労働者や消費者が多く移住。巨大な消費市場を形成しており、特に物流企業の参入が増えることが今後予想されているという。

 エクスペダイターズのカイザー・ラム香港・華南地区副社長は、「AI(人工知能)やハイテク、越境ECなど航空貨物に強い需要がある重点産業が集積している」と述べ、同エリアの潜在的な需要とゲートウエーとなる香港国際空港の利用に期待を寄せた。香港国際空港エアカーゴキャリアリエゾングループのフロスティ・ラウ会長は「香港空港が貨物データプラットフォームをさらに強化することで、EC貨物ビジネスの最高の出発地および目的地になる」と強調した。

 また香港空港を経由した積み替えサービスを合理化するため、東莞市にインターモーダル・ロジスティクス・パークを開設する計画も紹介。シノトランス・グローバル・イーコマース・ロジスティクスのチョウ・リョウ副社長は、「広東省と香港の間の通関手続きの効率化が図られ、競争力が高まることを期待している」と述べた。

■航空貨物のデジタル化強調

 GLP(中国)のビクター・モックアセット・サービス・プラットフォーム担当会長兼CEO(最高経営責任者)は「スマートエアカーゴの未来」と題したフォーラムで、スマートカーゴの課題として、デジタル化のコスト▽エンド・ツー・エンドのシームレスな流れとデータ交換をいかに実現するか▽共通の規格▽投資の重複を避けること―の4つを挙げた。

 モック氏は過去5―10年の間に、中国を中心として越境EC分野が貨物輸送のデジタル化を大きく加速させたと指摘。「デジタル化とは、紙ベースからオンラインへの移行だけではなく、プロセスの最適化と変革が重要。航空貨物業界では、情報が物理的な貨物と同じく発信されなければシステムが機能しない。これをどう実現するかは非常に重要なテーマだ」と航空貨物のデジタル化の重要性を強調した。

 また物流プロセスには多くの人や機器などが関わっており、実際の作業環境では自動化が重要であるとした上で、継続的な改善も必要と述べた。

 同フォーラムはいずれも香港貿易発展局が主催する第11回アジア物流・海事・空運会議(ALMAC)の航空フォーラムの一環として開催された。