印刷 2021年10月15日デイリー版3面

トレードワルツ、中小企業の「デジタル貿易」支援。APECの会合にも登壇

 貿易情報連携プラットフォーム(PF)「TradeWaltz」を運営するトレードワルツは、地方の起業家や中小企業(SME)の貿易事業への参入・拡大を支援している。その一環として、鹿児島市の中小企業の「デジタル貿易」開始のサポートを始めた。APEC(アジア太平洋経済協力会議)のワークショップでは電子化により貿易のハードルを下げ、中小企業の成長と貿易業界の活性化につなげる提案を行った。

 トレードワルツと協業しているのは、鹿児島市で翻訳を手掛ける従業員数3人のクラインベスト。トレードワルツの貿易PFを試験利用し、業務の完全電子化を前提に貿易業への参入に向けて取り組んでいる。両社は年度内に県産品を海外に輸出したい考えだ。

 クラインベストの脇野真梨江社長は翻訳業を通じて、貿易実務に苦戦し海外展開を諦める中小企業を見てきたという。「トレードワルツの貿易PFを活用し、貿易のハードルを下げることで、海外取引をさらに身近な存在にするデジタル商社を目指す」としている。

 トレードワルツによると、各種統計から、世界の7割は中小企業が動かしている。これに対して、OECD(経済協力開発機構)の調査では各国の輸出貿易に占める中小企業の割合は先進国で33%、途上国では18%にすぎない。貿易取引には時間、コスト、紙書類を保管するスペース、特殊な知識が必要で、中小企業には「4重のハードル」があるためだ。

 トレードワルツの貿易PFは、4重のハードルを解消するサービスの一つといえる。汎用(はんよう)性と拡張性が高い点も評価され、同社は9月7日、同15日、10月1日に開かれたAPECの地方起業家・中小企業の貿易を促すワークショップに登壇。自社のサービスを紹介し、「良いものが高速で世界中に普及していく『未来の貿易』に近づける」とした。