印刷 2021年10月14日デイリー版3面

TRUST SMITH、貨物積載 AIで最適化。港湾荷役自動化で協議も

 AI(人工知能)・ロボット技術を活用したソリューション提供を行うTRUST SMITH(トラストスミス、東京都文京区)が、物流業者の省人化・効率化の取り組みを支援している。先ごろ、AIにより短時間でトラックやコンテナへの最適な貨物積載を可能とするソリューションをリリース。また、海運企業、港湾企業と連携し、コンテナの積載プランニングの効率化や、港湾荷役機器の自動化などに関する協議も進めている。

 トラストスミスは2019年設立のベンチャー企業で、画像認識AIやロボットの制御ソフトウエア開発などを手掛ける。ロボットアームやドローン、AGV(無人搬送車)などハード面でも対象技術を拡大。「スタートアップにありがちな、(自社技術を核とした)『できること』基点ではなく、顧客の課題を基点に提案できることが強み」(コンサルタントの堂本拓磨氏)という。

 顧客層は製造業や、運送・物流業が中心で、工場や倉庫での庫内作業、配送業務の効率化、自動化に向けたコンサルテーション、ソリューションを提供。労働力不足解消などに寄与する。

 コンテナやトラックへの貨物積載では、さまざまな形状・性質の貨物を、現場作業員が経験を基に、積載計画を策定していることが多い。しかし、属人的な判断もあるため、積載効率が悪く、運送コスト、在庫保有コストの観点から無駄が発生していた。

 トラストスミスは特定の空間への荷物積み込みを最適化するアルゴリズムを開発。荷物の大きさを自動計測するAIと、積載計画を自動で行うAIを組み合わせることで、積み込み作業まで含めて効率化する。オプションで、壊れやすい品目は他の荷物と離す・下に積まないなどの制約条件を設定することも可能だという。

 現在、利用第1号案件の獲得へ、陸運企業など向けに拡販を行っている。また、国内輸送用トラックだけでなく、国際輸送に使うコンテナにも水平展開できると見ており、フォワーダーなどもターゲットとする考えだ。

 国際輸送関連では、海運企業と、コンテナの本船への積み付け計画策定自動化について、具体的な検討を開始した。また、港湾荷役機器の自動化などについても、関係企業と協議を行っているという。

 「長期的には、船舶の出入港情報なども取り込み、ゲート前混雑緩和などにも取り組みたい」(堂本氏)

■人とロボットが協働

 ロボットアームによるパレット積み付け・積み降ろし、AGV(自動搬送機)などによる搬送の効率化などにも取り組む。

 障害物回避型ロボットアームでは、AIによりロボットが自ら考え動作を制御する「ティーチングレス」で、動的な障害物を自律的に回避するアルゴリズムを採用している。ロボットアームは現状、柵などで囲われた特定のエリアで利用されることが多いが「今後、ロボットはヒトとの協業が当たり前になる。その場合、ロボットアーム同士の干渉だけでなく、動的な障害物を回避するのが必要。ロボットアームメーカー共同で、一歩先を見た開発に取り組んでいる」(同)。

 AGVはリフト式・自律走行タイプを自社開発。障害物もセンサーにより検知、自らの判断で回避できるなど、こちらも「人との協働」に対応している。さらに、大手マテハンメーカーと共同で、数十台規模のAGVの群制御技術を開発中。大規模なAGV導入の際にネックとなる制御の難しさを解決することで、導入のハードルを下げる。

 また、2次元画像と3次元画像を組み合わせることで、段ボールを自動認識する技術も先ごろ実装。これら技術と、AGVやロボットアームなどのハードウエア、配送シミュレーターなどを組み合わせ、入荷から積み込み、配送、積み下ろしまで、効率化の一貫提案も視野に入れている。

 このほか、化学品・食品製造大手アデカとはOCR(光学的文字認識)・画像認識技術を活用した、ラベルの自動認識システムの実証実験を進めており、年度内に外部向けの販売も開始する予定だ。