印刷 2021年09月03日デイリー版1面

MariTech 海事未来図】日本郵船、積み付け計画作成 効率化。自動車船、6→2.5時間に

 日本郵船は2日、自動車船の積み付け計画作成業務の一部を自動化するため、富士通の量子インスパイアード技術「デジタルアニーラ」を導入すると発表した。1日から試験運用を開始し、2022年4月の本格運用開始を目指す。業務の効率化のほか、本船の運航効率向上により温室効果ガス(GHG)排出削減にもつなげる狙いだ。

 日本郵船は膨大な組み合わせの中から最適なものを高速に導き出すことができる「デジタルアニーラ」の導入に当たり、自動車船の積み付けに関わるノウハウをアルゴリズム化。これまで専門のプランナーが1隻当たり最大約6時間かけて作成していた積み付け計画作成業務を2・5時間に短縮することを実証実験で確認した。

 これにより年間4000時間の労働時間削減が見込まれる。急な計画変更への対応、経験値や技量によるプランナーごとの計画のばらつきを防ぐことも可能になる。

 最大積載能力約7000台、フロア数12階の自動車船が、十数カ所の港に寄港しながら、車高や車幅が異なる60種類以上の車両の積み降ろしを行う場合、積み付け方の候補の数は10の2000乗通り以上にもなる。

 それら膨大なパターンの中から、最大積載量に近い積載率で車両を積み込み、積み降ろし作業時の安全性なども考慮した積み付け計画を作成することは、極めて複雑な作業になる。

 そのため積み付け計画の作成に時間がかかり、出荷計画の急な変化に対応するための負担が大きいことなどが長年の課題となっていた。

 日本郵船は「デジタルアニーラ」を導入するために、積み込む車両のサイズや荷揚げする港の情報を取り込み、車両の最適積載位置を計画する作業を約30分で自動的に完了させるシステムをクラウド上に構築した。