印刷 2021年08月11日デイリー版1面

MariTech 海事未来図】ペーパーロジック、造船契約を電子化。ケミカル船で初採用

 契約書をはじめとするビジネス文書の電子契約サービスを提供するペーパーロジック(東京都品川区)はこのほど、タンカーの造船契約の電子化を支援した。新造船の造船契約を電子契約で結ぶのは珍しい。印紙税の節約や契約書の管理業務の効率化につながることなどが評価され、実現に至った。

 今回、電子契約を結んだ造船契約は、三豊運輸が臼杵造船所に発注したケミカルタンカー1隻。ISCコーポレーションが仲介した。

 ペーパーロジックが造船契約のデジタル化をサポートしたのは今回が初めて。業界全体でも造船契約を電子契約で結んだ例は少ないとみられる。

 造船契約の電子化は法律で認められている。しかし、契約額が数十億円と高額なため、契約調印が関係者の立ち会いの下でセレモニーとして行われるケースが多いことなどから、電子化が進まなかった。

 ただ新型コロナウイルス感染症の収束のめどが立たない中で、人の移動が制限され式典を開くことも難しい状況が続く。また、デジタル化により働き方改革を推進する機運も高まっている。

 そういった中で今回、船主が造船契約を電子契約で結ぶことを決断。造船所も船主の要望に応じて具体化した。

 ペーパーロジックは、大手監査法人出身で、青山総合会計事務所の創業メンバーでもある横山公一氏が2011年に設立した。

同社のクラウドベースのサービスは、契約書だけでなく、請求書や稟議(りんぎ)書など各種ビジネス文書にも対応。重要度などに応じて電子のハンコを使い分けることができ、契約書や書類を保管できることが特長だ。

 海事関係の契約書では、造船契約のほか、用船契約、運送請負契約なども電子化の対象になる。ペーパーロジックは電子化により、コストの低減や業務の効率化、コンプライアンス(法令順守)強化につながるとしている。

 横山社長兼CEO(最高経営責任者)は「ビジネス文書の電子化はDX(デジタルトランスフォーメーション)を実現するための第一歩。電子契約を通じて海事産業のさらなる発展に貢献していきたい」と語る。