印刷 2021年07月02日デイリー版3面

匠かんさい】(59)日本トランスポートコーポレーション、指名貨物で世界に存在感

〆野代表取締役(右)と坂本営業部長
〆野代表取締役(右)と坂本営業部長

 1999年に会社設立、中南米向け輸出を皮切りに業容を拡大し、中国をはじめ主にアジア一円への輸出と、アジアなどからの輸入を手掛ける日本トランスポートコーポレーション。創業者の〆野健次代表取締役は船会社出身で、メキシコなど中南米航路に造詣があったことなどから、フォワーダーを立ち上げた。

 「関西では今ほどフォワーダーの存在が浸透しておらず、当初は難しかった」と〆野氏は振り返る。当時、メキシコで中南米専門とする独立系フォワーダーのアライアンス設立の動きがあり、創業を請われたのもきっかけだった。

 90年代の関西では中南米との経済交流の機運もあった。94年の関西国際空港開港に合わせメキシコ大阪領事館も設置され、貿易拡大が見込まれた。その後領事館は閉鎖に至り、期待通りには進まなかった。

 一方で同社は中南米向け輸出に加え、アジアからの輸入貨物取り扱いも進め、会社を軌道に乗せた。「輸入ではDO(デリバリーオーダー)フィーで一定の収益が見込めた」(〆野氏)こともあり、海外ネットワークの拡充に舵を切った。

 中国を皮切りにシンガポールや香港、インドネシア、韓国と各国の物流企業とパイプを構築、取り扱いを伸ばした。「(当時)上海の物流企業を訪問した際、昼食で日本のビールを出され、中国のポテンシャルを実感した」と〆野氏は話す。

 各国企業と関係を築く傍ら、日本出し貨物集貨に向け国内営業を強化した。そこには自分たちが主導権を発揮しパートナーである海外物流企業の取扱貨物を増やし、同等の関係を構築していく狙いもあった。

 現在、同社が国内営業で取り扱う貨物の多くは輸出で、海外パートナー企業からのノミネーション(指名)を含めると金額ベースで大半を占める。坂本祥晃営業部長は「輸出はCY貨物のドア・ツー・ドア輸送がメーン」と説明する。

 海外パートナーからのノミネーションでは、香港を拠点とする物流企業のエタニティ社から日本総代理店に指名されている。エタニティは台湾・香港出し中南米向け貨物に強く、同社を日本でのパートナーに選んだ。

 輸出営業では船会社、荷主双方との関係構築を重視、コロナ禍を踏まえ改めてきめ細やかなサービスに徹する。坂本営業部長は「顧客とは可能な限りコンタクトを取り、ワンストップサービスの提供で存在価値向上に努めている」と話す。

 ノミネーション貨物では、世界市場を視野に入れつつ東南アジア市場の深掘りを目的にTSLグループ(Transport Services & Logistics)に加盟。フォワーダーのビッグアライアンスであるWCAには2013年から参画する。

 WCA以外にも複数の有力アライアンスに加盟し、サービスを提供中だ。加えてアフリカ30カ国超で運用されている港湾貨物管理のためのCTN(Cargo Tracking Note)では、同社が日本での認証発行代表も務める。

 今後は輸出でノミネーション以外の自社営業をさらに強化していく。特に日本企業になじみのあるタイと、今後一層の発展が見込まれるベトナムを対象に、両国の潜在性を追い求め集貨につなげる意向だ。

 コンテナ不足への対応も検討中だ。具体的には船社代理店が保有するSOC(Shipper Owned Container)をオフドックに集め、荷主に貸し出す運用を想定している。世界的に物流の不確実性への危惧が生じているが、安定輸送の実現を図り顧客や社会に貢献していく。

(第1・3金曜日掲載)

 設立=1999年1月→資本金=1500万円→代表取締役=〆野健次→本社=大阪市中央区安土町3―2―14イワタニ第二ビル7階→電話=06・4964・2252→事業内容=国際海上貨物運送取扱業、国際航空貨物運送取扱業、海運代理店業、梱包業、海運仲介業