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 印刷 2021年06月17日デイリー版3面

ウィルボックス、国際物流 PF利用拡大。「梱包」業務をデジタル化

「物流業界のDXを推進する」と意気込む神社長
「物流業界のDXを推進する」と意気込む神社長

 ウィルボックス(神一誠社長、本社・横浜市)が手掛ける、国際物流プラットフォーム(PF)「Giho」(ギホー)が利用者数を伸ばしている。同PFは梱包など輸出関連業務をデジタル化。荷主は同PFを通じて梱包から通関、実輸送など、大型貨物の輸送工程を、自社で一括して手配できる。これにより、大幅なコスト削減、業務効率化が可能になる。

 ウィルボックスは、神一誠社長が2019年に創業したスタートアップ企業。大手人材広告会社などを経て、家業の梱包会社で業務改善などに取り組む中、新たなビジネスモデルを浸透させ、梱包業界・物流業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進すべく、起業した。

 先ごろ、丸紅ベンチャーズをリード投資家とした6社を引受先として、プレシリーズAラウンドの第三者割当増資を実施。総額9500万円の資金を調達している。

 Gihoは昨年7月、ベータ版を公開。現在、製造業を中心に、荷主企業が数十社試験導入している。

 物流会社などの登録業者は120社強。貨物の集荷・配送を行うトラック会社、梱包会社、通関業者、フォワーダー、コンテナ船社なども参加している。陸送、梱包、通関、国際輸送と、大型貨物の輸出入に必要なスキームを、GihoのPFで一貫して提供できるのが強みだ。

 登録業者は関東・中部圏が中心で、今後、対象地域も広げていく。年内に登録荷主200―300社、登録業者500社まで拡大を見込む。

 ウィルボックスは、重量物・大型貨物の国際輸送に必須の木材梱包技術をデジタル化。荷主がGihoのPFに、外寸・重量など貨物情報を入力すれば10秒ほどで見積もりが提示される。荷主企業からすると見積書を取得する時間を大幅に削減し、かつコストメリットも高く大型貨物にも対応する物流会社が作業するため、安全な物流が可能となる。

 一方、物流事業者も見積書を作る手間がなくなり、かつ高単価で得意な案件が受注できるためより一層業務効率が良くなる仕組みだ。

■日本製品の輸出競争力強化へ

 神社長は「大型貨物の輸出には(属人的で、貨物ごとに仕様が異なる)木箱梱包が伴うため、デジタル化は困難と言われてきたが、逆に言えばブルーオーシャン(新市場の創出)。産業機械など日本製品は世界で重宝されており、梱包領域を軸に物流改善すれば、日本製品の輸出競争力強化につながり、より多くのエンドユーザーに最先端のテクノロジーが届くスピードが速くなる」と語る。コロナ禍もあり、荷主企業が業者選定や、これまでの業務フローの見直しなどを進めていることも、利用拡大の追い風になっているようだ。

 人材育成などを考えると、梱包会社にとってもデジタル化は喫緊の課題だが、1社で取り組むのは困難。共同PFによるデジタル化は大きなメリットがある。

 ウィルボックスはさらに、独自に物流業者のデータベースを構築。利用荷主はGiho独自のアルゴリズムに基づき、地域・機能などで、最適な業者を選定できる。

 アジアを中心に、海外版Gihoの展開も視野に入れている。今後も、付加価値機能をGihoに追加し、利用者の利便性向上を図っていく考えだ。