印刷 2021年06月16日デイリー版2面

MariTech 海事未来図】エバーブルーテクノロジーズ、自動操船システム開発。完全風力推進船と組み合わせ貨物輸送

自動操船システムと同システムを搭載したトリマランヨット(奥)
自動操船システムと同システムを搭載したトリマランヨット(奥)

 風力推進船による物流網の構築を目指すベンチャー企業エバーブルーテクノロジーズ(東京都調布市)が、自動帆走・遠隔操船が可能なスマートフォン(スマホ)アプリと自動操船化ユニットを開発した。100キロ超の積載量を持つ自動操船トリマラン(三胴船)ヨットなどと組み合わせ、離島や沿岸部への貨物輸送を無人で行えるようにする。

 野間恒毅CEO(最高経営責任者)は「自動操船ヨットはビーチからでも海に入ることができる。スマホの回線があれば、誰でも自動的に物を運べるようになる」と開発の意義を強調する。

 エバーブルーテクノロジーズの自動操船システムや自動操船ヨットの新船型は、14―16日に幕張メッセ(千葉市)で開催の「ジャパンドローン2021」で初めて公開された。

 新開発の自動操船システムはiPhoneアプリの「everblue CONNECT」と自動操船化ユニット「everblue NAVIGATOR」で構成。

 「everblue CONNECT」はクラウドサーバーと連携し、一般的な携帯電話回線である4G、LTE、3Gサービスエリアに利用者と自動操船ヨットの所在地があれば、世界中どこからでもリアルタイムで状況を把握することができる。プログラムによる自動帆走、遠隔操船が可能で、電波圏外に出たとしても自動操船は継続され目的地へと到着する。

 「everblue NAVIGATOR」は風速、風向、障害物センサーを一体化し、防水ボックスと組み合わせた全天候型制御ユニット。ラダー、推進器、セールウインチの制御信号を変換し、電動モーターを制御することでディンギーヨットだけでなく、船外機や小型ボートといった動力船の自動操船化も可能になる。

 エバーブルーテクノロジーズはこれらのシステムを全長5メートル級の自動操船トリマランヨット「Type―X」で採用。同船の最大積載量は100キロ超で、離島間の無人貨物運搬や非常時の救援物資輸送などさまざまな用途に対応できる実証機として開発している。エンジンは搭載せず、モーター制御のセールとラダーで純粋に風の力だけで航行する。

 野間CEOは「完全風力推進なのでガソリン代などの燃料費がかからず、コスト競争力も高い。水上・海上で個別配送をゼロエミッションで実現していく」と語った。