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 印刷 2021年06月04日デイリー版5面

ニュース深読み/物流】コロナ禍でEC増加。航空貨物市場、高水準続く

 デスク 世界の航空貨物市場の現状はどうなっている。

 A 新型コロナウイルス禍による「巣ごもり消費」 でEC(電子商取引)関連の需要や半導体関連、自動車関連の荷動きが引き続き好調です。一方、国際旅客便の減便で供給量の減少が続いており、物流企業はスペース確保に奔走しています。

 B 国際宅配大手DHLエクスプレスはEC増加に対応するため、5月から貨物便を強化しています。従来の香港―ベトナム・ホーチミン―マレーシア・ペナン間輸送を、香港―ホーチミン間週6便、香港―ペナン間週5便の直行便に置き換え、リードタイムを短縮。また欧州とアジアを含む大陸間フライトも拡充しました。

 A EC関連はBtoB(企業間)分野のデジタル化の加速により、オンラインプラットフォーム(PF)での企業購入が大幅に増加しています。今後、BtoC(企業発消費者向け)に加え、企業間のEC需要の増加を背景に需要は継続しそうです。

 デスク 今後の供給量の見通しは。

 A IATA(国際航空運送協会)によると、3月の国際線供給量のうち、貨物便はコロナ前の2019年3月比で20・6%増加した一方で、旅客便ベリースペースは38・4%減少しました。市場の多くが引き続き貨物便で賄われていることが分かります。

 B 市場が正常に戻るには、旅客便の復調が鍵になります。英航空分析会社シリウムは、旅客需要は22年から徐々に回復し、19年水準に戻るのは24年以降になると予測しています。

 デスク 日本の動きはどうだ。

 C 日通総研によると、21年度の航空輸出は16・5%増と貨物量はコロナ前(19年度)を上回る水準となる見通しです。航空輸入も、巣ごもり消費・テレワーク関連の荷動きが引き続き堅調に推移するとみています。

 B 足元では特に自動車関連が好調です。海上輸送の混乱の影響で海上貨物が航空シフトしたことが大きな要因となっています。こうした動きはおおむね秋ごろには回復するとみられていますが、航路によっては今年度いっぱい続くとみる向きもあります。いずれにせよ、高需要が続くことが想定されます。

 デスク 今後想定されることは。

 B 需給逼迫(ひっぱく)が徐々に緩和していくでしょう。前期はコロナ禍に端を発したベリースペースの減少と海上からのシフトで需給が逼迫、運賃が高騰し、航空会社やフォワーダーは利益を確保することができました。しかし、今期は需給緩和で運賃単価も段階的に低下していくと予測されます。