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 印刷 2021年04月30日デイリー版2面

郵船・NSY・NKなど。機関プラント事故4割減へ。技術開発プロジェクト完了

 日本郵船とMTI、日本シップヤード(NSY、当時ジャパンマリンユナイテッド)、舶用機器メーカー4社が2016年度から日本海事協会(NK)と共同で取り組んできた技術開発プロジェクト「ビッグデータを活用した船舶機関プラント事故防止による安全性・経済性向上手法の開発」が3月完了した。機関プラントでのハイリスク事故の4割削減を目標に、6つの分野で技術開発を実施。各社単独で成し得なかった知見を獲得した。

 郵船、NSYが28日発表した。

 同プロジェクトはビッグデータを活用して機関プラントでの事故、特にコスト・社会的にインパクトが大きくなる可能性があるハイリスク事故の低減を目指し、造船所・舶用メーカー・海運会社が一体となって取り組んできた。国土交通省の「先進安全船舶技術研究開発支援事業」の補助対象事業にも採択されている。

 具体的には 1.画像を含むビッグデータによる主機シリンダー内状態診断手法(担当・IHI原動機) 2.補助ボイラー空焚(だ)き予兆診断システム(同・サンフレム) 3.ブラックアウト予兆診断システム(同・寺崎電気産業) 4.減速運転下でのプラント最適運用手法(同・NSY) 5.データロガーでの高度アラームシステム(同・寺崎電気産業) 6.油清浄機の総合運転監視システム(同・三菱化工機)―の6つをテーマに技術開発を進めた。

 この結果、郵船が開発したエンジンの燃焼室内部の状態を自動撮影する装置「きらりNINJA」などによるビッグデータを活用し、エンジン駆動に必要な潤滑油消費量を安全に削減する手法を開発。また機関プラントのデジタルツインを作成し、減速航海での省エネ運航手法の深度化に貢献するなどの成果を得た。

 郵船は「今後はプロジェクトで獲得したデータを新たな研究開発に生かすとともに、今後の事業化を見据えたメーカー支援を積極的に行うことで船舶の安全性・経済性の向上を追求し、将来的な有人自律運航船のシステム開発にもつなげていく」としている。