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 印刷 2021年04月12日デイリー版2面

MariTech 海事未来図】日本郵船、運航計画システム開発。自動車船、GHG排出最小化へ

 日本郵船は9日、同社グループのNYKビジネスシステムズと共に、自動車専用船の運航スケジュール策定支援システムを開発し、運用を開始したと発表した。完成車物流全体からの温室効果ガス(GHG)排出量を減らす「Sail GREENプロジェクト」の一環で、環境負荷低減と業務効率改善を目指す。

 新たに開発した運航スケジュール策定支援システムは、寄港地や積み降ろし台数などの条件を指定すると、短時間に数十万通りのシミュレーションを行い、到着日時や航行速度の設定など最適な航行スケジュールを提示できる。

 各船のさまざまな運航データを船陸間でタイムリーに共有するSIMSなどの社内システムとも連携。従来の手動計算では導き出せなかった最適スケジュールの作成が可能になった。

 運航スケジュール策定支援システムを活用することで、迅速な意思決定が可能になるほか、長期的な知識の蓄積・継承にも寄与する。船舶が排出するGHGの最小化を図ることもできる。

 自動車船の運航スケジュールは、寄港地やブッキング台数、貨物の積載状況、到着希望日などを基に、港の混雑状況や気象・海象などの変動要素を総合的に判断して策定される。

 ただ、複数の港で積み荷・揚げ荷をする特性から、最適なスケジュールを割り出すために多くの手動計算や関係者との調整を行う必要があり、運航担当者の負担軽減やノウハウ継承が課題となっていた。

 日本郵船は従来型の重油焚(だ)き船に比べて、CO2(二酸化炭素)排出量の少ないLNG(液化天然ガス)燃料自動車船の導入を進めている。ROROターミナルや陸上輸送も含め、デジタル技術も駆使し、完成車物流全体でのCO2排出量低減を推し進めていく。