印刷 2021年04月01日デイリー版2面

新型コロナ】比人の船員交代、感染急拡大で難航も。4日まで、マニラなど規制強化

 最大船員供給国のフィリピンで新型コロナウイルスの感染が急拡大しており、フィリピン人船員の交代への影響が注目される。感染拡大防止のため、マニラ首都圏などでは4月4日まで最も厳しいコミュニティー隔離措置(ECQ)を実施。この規制強化を受け、邦船社の中からは「フィリピンの港へ船を直接寄港させ船員交代する場合、その港までの新規船員の国内移動がスムーズにいくかどうか懸念される」との声も上がっている。

 複数の関係者によると、フィリピンの1日当たりの新規感染者は1万人規模に達し、過去最悪のペースで感染が広がっている。

 感染急拡大を受け、フィリピン政府は3月27日に、29日から4日4日までマニラ首都圏とブラカン州、カビテ州、ラグナ州、リサール州をECQに指定した。

 ECQは4段階あるコミュニティー隔離措置の中で最も厳しい。夜間の外出が禁止されるほか、公共交通機関の運行にも一部制限がかかる。

 規制強化に伴う船員交代への影響について、邦船社の関係者は「航空機で海外の交代地に船員を派遣する従来型の方法は、それほど心配はしていない。問題はフィリピンの港に直接船を着けて交代する場合だ。フィリピン内の移動が制限されるので、港にまでスムーズにたどり着けるか懸念される」と語る。

 船舶管理会社の関係者も「実質的なロックダウン(都市封鎖)で現地のマンニング(船員配乗)会社も不在気味で、交代の手続きに時間がかかっている」と説明する。

 感染拡大以降、世界的な国をまたぐ移動の制限で、海運業界では船員国の港に船舶を寄せ、船員交代を図る手法が浸透した。フィリピンでは、マニラ港など複数の港が船員交代のために船舶を受け入れている。

 船舶管理会社の関係者は「今回のECQ指定が延長された場合、直接寄港による交代だけでなく、航空機による従来型の手法にも影響が出る可能性がある」と指摘する。