海事アカデミア202104
 印刷 2021年03月09日デイリー版3面

インフォア、製造・物流業のDX促進】 1.レジリエンスが求められるSCを包括管理

 米クラウドERP(基幹業務システム)大手インフォア(Infor)が、日本市場でのSCM(サプライチェーンマネジメント)ソリューションのビジネスを強化している。

 コロナ禍やコンテナ不足などを背景に、企業は世界各地に点在する在庫の管理など、サプライチェーン(SC)をいかに適切に管理するかという課題に直面している。経営環境の変化は激しく、現在注目されている回復力(レジリエンス)、迅速な対応(アジリティー)、可視性(ビジビリティー)などを包括的に提供できるソリューションに対するニーズは高まる一方だ。

 インフォアは、需要計画・生産スケジューリングなど計画系から、輸送・倉庫管理、輸送ベンダーなどを一元管理するサプライチェーンネットワークと、サプライチェーンの川上から川下まで貫くソリューションを取りそろえているのが強みだ。2015年には、コンテナ船のブッキングポータルなどで国際物流業界に広く普及していたGTネクサスを買収。「インフォアネクサス」と改称し、日本法人インフォアジャパンでも19年から日本市場への提供を本格化した。

 インフォアのSCM関連ソリューション(インフォアSCM)はインフォアネクサスのほか、WMS(倉庫管理システム)、SCP(需給計画システム)―など複数のシステムで構成される。

 インフォアジャパンでは「コロナ禍でオフィスに出勤できないことも増え、デジタル化の機運はかつてないほど高まっている。インフォア製品は、IoT(モノのインターネット)、アナリティクスなど、DX(デジタルトランスフォーメーション)に必要な技術を取り込みながら、いかにSCを効率化するか、という観点で開発されているのが特色だ」と説明する。

 グローバルSCMの可視化では、インフォアネクサスがさまざまな情報を集約・共有するためのプラットフォーム(PF)となる。GTネクサス時代から既に20年以上の実績があり、主要船社・銀行などの貿易関係者の接続実績がある。

 「現在のSCは、単純な調達・輸送だけでなく、需給予想・調整や、決済・金融などが密接に連携している。インフォアはこれらSCの広範な関係者をPFでつなぎ、『オーケストレーション』(システムによる管理・調整の自動化)しながら、SCを円滑化させることができるのが特色だ」(インフォアジャパン)

 SCMの可視化ツールを提供するITベンダーは少なくない。しかし、先に述べたように、SC全体に包括する、さまざまな機能を持つ点がインフォアの特色だ。

 「もちろん可視化などを切り分けて、ピンポイントで必要な機能を提供するケースもあるが、多くの場合、対症療法で真の問題解決にならず、DXにまでつながらない」(同)

 日本では可視化など部分的なソリューションが求められる傾向があったのは確かだが、昨今のグローバルSCの混乱などから、SC全体を見直そうという機運が高まっている。日本企業からも、包括的なソリューションを求める声が増えており、インフォアとしては自社ソリューションの強みがさらに生きる環境になったと見ている。

 一方で「部分的な導入により、インフォア製品の良さを理解してもらうことも有効だ」(同)という。システムの迅速な導入のための体制や、より利用しやすい料金体系も整備する。

 顧客層はこれまで機械・化学品・アパレルなど大手製造業が中心で、調達・販売物流問わず利用される。特に世界各地でOEM(相手先ブランド製造)生産をしている企業などでは、可視化や在庫調整にインフォアのソリューションが効果を発揮しているようだ。

 昨今は物流企業からの引き合いも増えているという。LSP(ロジスティクスサービスプロバイダー)機能を強化したい物流業者が、自社システムのバックボーンとして活用しているケースもある。

 また、取引業者が多岐にわたり、事業部ごとに業務フローも異なる総合商社も、コントロールタワー(SC全体の司令塔的役割)機能として、コーポレート部門が導入を検討しているという。

 次回、インフォアネクサスなど各ソリューションの具体的な機能を紹介する。

 インフォア製品に関する問い合わせはインフォアジャパン・マーケティング本部(Infor.JapanInfo@infor.com、電話03・4520・0759)まで。

(随時掲載)