海事アカデミア202104
 印刷 2021年03月01日デイリー版1面

ミャンマー船員 交代難。コロナ・政変で。中国人で代替も

 船員配乗を手掛ける船主や船舶管理会社の中で、ミャンマー人船員の手配が難航しているようだ。ミャンマーにおける新型コロナウイルス対策の移動規制と、2月1日に発生した軍のクーデターによる混乱で、同国への出入国がスムーズにできない状況が続いている。国外の交代地にミャンマー人船員を派遣することも難しく、日本船主の中には、ミャンマー人船員を中国人船員で代替するなどの緊急対応を取る動きも起こった。

 日本商船隊(IBF〈国際団体交渉協議会〉協約適用船)におけるミャンマー人船員は1月時点で2073人でフィリピン、インド、中国に次ぐ地位にある。

 日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、2月26日時点でミャンマーの国際空港ではコロナの感染防止策の一環で、国際旅客便の着陸禁止措置が講じられている。「ミャンマー政府が国外にいるミャンマー人の帰還などのために手配する航空機(国際緊急援助便)も動いているか分からない状況」(日本船主関係者)で、海外で下船したミャンマー人船員の同国への帰還や、新たに乗り組むための海外の交代地への手配が、難しくなっているようだ。

 出国前の受検が必須のPCR検査も「ミャンマー政府系の検査施設が閉鎖されていて、船員を受検させることができない」(同)という。

 こうした中、一部の日本船主は2月半ばに、船員配乗を手掛ける自社のバルカーで、ミャンマー人船員に代わって、中国人船員を起用する緊急対応を取った。この日本船主関係者は、「もともと中国人船員を下船させ、ミャンマー人船員と交代させる計画だったが、ミャンマー人船員の手配がクーデターなどで難しくなったため、別の中国人船員で代替せざるを得なかった」と語る。

 この日本船主の船隊には船長・機関長以下全乗組員がミャンマー人という全乗船もあり、同船主関係者は今後のミャンマー情勢を注視している。

 一方で、別の海運関係者からは「ミャンマー国内への電話やEメールがクーデター直後は通じず、船員と連絡が付かないこともあったが、現在はマンニング会社を通じて、何とかコミュニケーションが取れるようになっている」と、事態の改善を示唆する声も聞こえる。