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 印刷 2021年02月22日別版特集2面

海賊対策特集】船協、ジブチ訪問団派遣から10年。海賊対処に感謝の思い…

P3C哨戒機の前で(13年9月)
P3C哨戒機の前で(13年9月)
ジブチで行われた海賊対処拠点開所式に船協の訪問団も出席(11年7月)
ジブチで行われた海賊対処拠点開所式に船協の訪問団も出席(11年7月)
船協、国船協、海員組合の3団体が参加した訪問団(18年11月)
船協、国船協、海員組合の3団体が参加した訪問団(18年11月)

 日本船主協会は、ソマリア沖アデン湾での海賊対処行動の一環として警戒監視活動を実施している自衛官や海上保安官に感謝の思いを直接伝えるため、活動拠点があるアフリカ東部ジブチに2010年から訪問団を累計8回派遣している。昨年は新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響で派遣中止となったが、船協幹部は防衛省や海上保安庁を訪問し、謝意を表明。派遣隊はコロナ禍の状況でも商船の安全航行の確保に向け、日々、商船の護衛や警戒監視に汗を流している。

■10年に訪問団派遣

 アデン湾で海賊行為が急増したのは08年から。ソマリア国内の政情不安やテロ、貧困などに起因した海賊行為が多発し、アジアと欧州を結ぶ海上交通路に当たる同湾を通過する船舶の安全運航に支障が生じた。

 当時の前川弘幸・船協会長が強い危機感を示し、日本政府に対して早期の海上自衛隊艦艇派遣とそれに伴う法整備を求めた。

 日本政府は09年3月、護衛艦2隻をソマリア沖に派遣。その後、哨戒機2機も追加配備した。さらに、09年7月には海賊対処法を施行し、護衛対象をそれまでの日本関係船舶から全商船に拡大する形で、船団護衛と警戒活動を行ってきた。

 11年からはジブチ国際空港北西地区に活動拠点を整備し、海賊対処行動支援隊を配置した。21年度からは、拠点改修などで派遣海賊対処行動支援隊を増員する。

 船協は、ソマリア沖での自衛隊の活動に対して感謝の意を伝えるため、10年に宮原耕治会長(当時)を団長とする「船協ジブチ訪問団」を結成。自衛隊の各部隊や日本大使館、ジブチ政府などを訪れ、海賊対処への謝意を伝えている。ジブチへの訪問団派遣はその後、現地情勢の許す限り継続している。

■3団体で現地へ

 19年には、船協の中島孝副会長を団長に国際船員労務協会、全日本海員組合の3団体のメンバーがジブチに赴いた。

 訪問団はジブチ港に停泊中の海自の護衛艦「さざなみ」を訪れたほか、自衛隊の拠点があるジブチ空港北西地区も視察。現地のホテルで「感謝の集い」も主催し、自衛官や海上保安官のほか、在ジブチ日本大使館、国際協力機構(JICA)などの関係者約300人が参加した。その年の11月には都内でも「感謝の集い」を開いた。

■コロナ禍で派遣中止

 20年は新型コロナ感染拡大を受け、船協は訪問団の中止を決めた。

 一方、コロナ禍の中でも政府は護衛艦の派遣を継続。直近では1月31日に護衛艦「せとぎり」が京都府舞鶴市の舞鶴基地を出港した。出港後、乗組員全員にPCR検査を実施。日本近海で2週間程度の航海訓練をしながら健康状況を確認し、アデン湾へ向かった。

 自衛隊のこうした警戒監視活動の効果もあり、19年以降海賊件数ゼロが続いている。たゆまない努力の結晶が海賊を抑止する圧力になっていると言っても過言ではないだろう。