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 印刷 2021年02月02日デイリー版1面

国交省、船舶検査 遠隔化で新制度。簡素化へDX促進

 国土交通省は主に内航船を対象に船舶検査の遠隔化を促進するため、新たに認定制度を創設する方針を固めた。高度船舶安全管理システムによる船舶データを利活用し、遠隔監視する船舶管理会社などを国交相が認定する。リアルタイムにエンジンの状態が確認できることから、定期検査の簡素化を図る。今国会に船舶安全法の改正案を提出し、海事産業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を進める。

 新制度では、エンジンデータの状態を遠隔監視する高度船舶安全管理システムを活用することで定期検査の簡素化を図ることができる。想定するシステムは、船舶エンジンにセンサーを取り付け、ネット通信などを介して陸上の機関診断システムで監視する。不具合が生じれば即座に対応できる利点がある。

 船舶における定期検査は5年に1度で、検査期間は約5日間。しかし、新制度ではエンジン内のデータを利活用し、適時整備していることから、エンジンを分解する必要がなく、約1日から1日半分の日数省力が期待できる。

 認定事業者の対象としては、高度船舶安全管理システムを運用する船舶管理を行う会社やエンジンメーカーなどが挙げられる。認定を受けるためには、ソフトウエアの機能を担保するための運用マニュアルと、遠隔操作で不具合を発見した場合に適切な対処を確保するための整備マニュアルについて国交相から認可を受ける必要がある。

 制度の対象は主に内航船。旅客船以外の外航船は、船級から認定を受けていると検査が省略できる法制度となっているからだ。

 国交省海事局は「海事産業のDXを進める上でもエンジンの検査遠隔化は必要だ。今後、技術開発が進めば船体強度の検査も遠隔化となる可能性がある」と期待を寄せる。

 国交省は以前からデジタル技術を活用した船舶検査・測度について検討を進めてきた。造船所と地方運輸局でネット回線を介して遠隔で船体外観を確認する船舶検査などの試行検証を実施していた。

 国交省は今国会に6本前後の改正案を提出する予定だ。低迷する海事産業を支援し、競争力の強化を図る目的。今回の船舶検査の遠隔化認定制度もその一環で、デジタル技術で運航効率を向上させ、船舶検査の簡素化を実現する。