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 印刷 2021年01月22日デイリー版1面

商船三井、スタートアップに投資へ。CVC設立、出資枠40億円

 商船三井は21日、スタートアップ企業に投資するコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)として「MOL PLUS」(エムオーエル・プラス)を設立すると発表した。日本の海運会社がCVCを立ち上げるのは初めて。代表に就く阪本拓也氏(コーポレートマーケティング部プロジェクトマネージャー)は「スタートアップ企業が持つ斬新なアイデアやテクノロジーと当社が持つリソースを掛け合わせ、海運業と社会に新しい価値をプラスする事業の創出を目指す」と語る。

 エムオーエル・プラスは、商船三井100%出資で今年5月の設立を予定。出資枠は40億円。2023年度までに米国、欧州、シンガポールにそれぞれ拠点を設置する計画だ。

 新会社は中長期的な観点から、海運・物流業のビジネスモデル変革や新規事業創出につながる国内外の最先端のスタートアップ企業へ幅広く投資・協業する。

 投資領域としては、環境やデジタル、AI(人工知能)、AR(拡張現実)、自動運転、ドローン、ロボティクス、ブロックチェーン、宇宙事業、レジャー、ヘルスケアなどを想定。投資先スタートアップの成長にも貢献していく考えだ。

 阪本氏はCVC設立の経緯について、「将来のコア事業を創造するために、スタートアップ企業との協業が重要になるが、スタートアップは利益が出せるようになるまで4―5年かかる。そのため従来とは異なる投資判断軸が必要だった」と説明。その上で、「21年度に3―4件の投資を実行したい」と述べた。

 CVCは事業会社が自己資金でファンドを組成し、未上場のスタートアップ企業などに出資や支援を行う組織を指す。

 あらゆる分野のベンチャー企業に投資する一般的なベンチャーキャピタルとは異なり、自社の事業内容と関連性のある企業に投資し、本業との相乗効果を追求することを目的に運営される。

 海運業界ではデンマークの海運大手APモラー・マースクが、「マースク・グロース」というCVCを17年から運営している。これまでにスマートロジスティクスや持続可能なサプライチェーンなどに関わる企業22社に投資している。

 商船三井にとって今回のCVC設立は、阪本氏が19年9月に導入された「MOLグループ社員提案制度」を通じて発案。同制度の初年度に応募し採用され、昨年7月から立ち上げ準備を進めてきた。