印刷 2021年01月12日デイリー版3面

キユーソー流通、海外で売上高100億円へ。アジアに低温物流網

会見する笹島常務
会見する笹島常務

 キユーソー流通システム(KRS)は、ASEAN(東南アジア諸国連合)で低温物流事業を本格化する。昨年子会社化したインドネシアのキアトアナンダグループ(KAG)を足掛かりとし、主要国で資本提携やM&A(買収・合併)も検討する。当面は海外での売上高100億円を目標に、ネットワーク構築を加速する。

 東京都内で8日開いた2020年11月期(前期)決算説明会で、笹島朋有常務取締役が明らかにした。

 今期はKAGと協業を進め、安定的に収益を生む体制を構築する方針。KAGは低温物流に強みを持ち、冷蔵倉庫5拠点、車両590台、リーファーコンテナ300本を保有している。21年(会計年度)の売上高は45億円。スラバヤとジャカルタ北部ムアラバル港での冷蔵倉庫新設、スマトラ島での土地権利取得などの設備投資を計画している。

 KRSはKAGと連携を強化し、海外事業体制を確立。さらにマレーシア、フィリピン、ベトナムへの展開を検討し、ネットワークを構築する。広くASEANに展開し、低温物流需要を取り込んでいく。

 KRSは中国で低温物流事業を展開してきたが、ASEANへの進出は初めて。笹島常務は「将来は売上高の10%を海外で上げたい」と海外事業の拡大に意欲を示した。

 また、中国では今年、広州に常温拠点の物流体制を構築する。キユーピーの広州工場向けの物流業務、配送業務を行う。

■コロナ機に変革

 今期業績予想は売上高が前期比3%増の1760億円、営業利益が46%増の38億円、経常利益が30%増の34億円、純利益は85%増の13億5000万円を予想。前期は減収減益だったが、今期は売上高は過去最高、利益面でも回復を見込む。

 需要の回復は一進一退の状況が続き、不透明な環境だが、笹島常務は「新型コロナウイルス禍を変革のチャンスとして捉え、働き方改革やデジタル化などを推進し、(22年11月期からの)次期中期経営計画への布石を打っていく」と話した。

 今期の設備投資額は前期から約56億円増の約130億円を計画。うち、KAG関連で60億円の投資を予定している。

 キユーピーは7日、KRS株の一部を売却し、連結子会社から持ち分法適用関連会社にすることを決めた。これについて笹島常務は「お互い上場もしており、方針が合わないことも起きていた。キユーピーは食品、当社は物流に特化して事業を進めていく。特に物流業には投資が必要だ。当社が連結から外れることで、お互いに(主体的に)戦略を進められるようになる」と説明した。