日本海事新聞社 物流ウェビナー2
 印刷 2020年12月01日デイリー版2面

中国沖、BC60隻が滞船。豪産石炭を積載。船員1200人に影響

 中国沖で豪州産石炭を積載したバルカーの滞船が増えている。両国の政治的対立が深まり、中国側が荷役に制限をかけているようだ。滞船規模はポスト・パナマックスを中心に約60隻で、乗船中の船員は約1200人に上る。海運会社のドライバルク担当者は「船員らの疲労は相当大きい」とし、船員の心身のケアの観点からも滞船解消の必要性を強調する。

 中豪の関係を巡っては、4月に豪州が新型コロナウイルスの発生源に関する独立調査を求めたことで、対立が深刻化したとされる。中国側は豪州発のさまざまな貨物に輸入規制を実施。豪州産石炭を積載したバルカーが中国沖で滞船を余儀なくされている。

 同担当者によると、滞船規模は先週末(11月27日時点)でポスト・パナマックスを中心に58隻。1隻当たりの船員数を約20人と仮定すると、約1200人が船内で待機していることになる。

 海外紙では、滞船が5カ月に達した船舶もあると報じている。

 同担当者は「当社が用船中のバルカーも10月中旬から中国沖で滞船している。解消は12月前半になる見通しだ」と指摘。その上で、「船員らの疲労は相当大きい」とし、事態改善の必要性を強調する。

 一般的に滞船は船腹供給を絞り、市況回復を促す効果もある。11月27日付の英ロンドン市場で8万重量トン級カムサマックスの主要航路平均値は日建て1万2863ドルと12営業日続伸している。

 ただ、同担当者は「今後、中国が豪州産石炭の代わりにインドネシア産やロシア産の輸入を増やせば、トレードの近距離化により市況は弱含む」と語る。

 日本海事センターの統計によると、2019年の中国の石炭輸入量は2億9990万トン。このうち豪州産は7700万トンで、1位のインドネシア産の1億3760万トンに次ぐ規模となっている。