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 印刷 2020年12月01日デイリー版1面

新規ブッキング、船社 相次ぎ停止。日本発全航路 コンテナ払底

 コンテナ船社が日本発輸出の新規案件のブッキングの引き受けや見積もりを停止する動きが相次いでいる。急増する荷動きとコンテナ不足により、既存契約分だけでもオーバーフローするなど、パンク状態にあるためという。特にコンテナ不足は深刻で、真っ先に枯渇した40フィートHC(ハイキューブ)に加え、通常の40フィートや20フィートなどもほぼ在庫が払底しているためという。北米向けや南米東岸向けなど長距離航路だけでなく、ここにきてアジア域内を含めて日本発全航路でコンテナ確保が困難になっている。

 日本市場では10月半ばから、北米航路で断続的に新規ブッキングを制限する動きが見られたが、コンテナ不足が加速したことで、各社では11月中旬から下旬にかけて、一気にブッキング制限に動き出した模様だ。

 欧州向けではこれまでもスペース確保が難しかったものの、PSS(繁忙期割増金)を支払えばなんとか船積みはできていたという。しかし、12月からはそれでも対応できないので荷主当たりの船積み数を制限しなければならない状況まで追い込まれているという。

 「本船スペースよりもハコ(コンテナ)が足りないのが大きい。プレミアム料金を頂いても、供給できないケースが多い」と船社関係者は一様に語る。

 日本は輸出より輸入が多い貿易構造のため、通常であれば輸出用コンテナが足りなくなることはあり得なかった。ところが、コロナ禍の反動で輸出需要が急伸する一方、海外港湾や内陸の混雑でコンテナのターンラウンド日数が増加。通常に比べてコンテナが返却されるまでの日数が増加したことが影響している。

 そのため、「輸入コンテナのデバンニングを当てにして輸出のブッキングを取っていたが、予定通り返却されないため綱渡り状態」(船社関係者)だという。見込んでいた輸入コンテナのデバンニングが遅れて輸出用コンテナを確保できないため、受け付けていたブッキングを船社都合で一斉にキャンセルするケースもあったようだ。

 日本市場と中国などアジア市場の運賃格差の問題も大きい。

 あるアジア域内船社はこのほど、日本、ベトナム発ドライ貨物の新規ブッキング受け付けを停止。運賃が高騰し、収益性の高い中国発貨物にコンテナを充てるため、あえて両国で輸出貨物を取らず、中国へのコンテナ回送を急いでいるようだ。

 例年のコンテナ荷動きを見ると、1月は中国の旧正月直前に駆け込み出荷があった後、旧正月以降物量が落ち着くのが通常だ。しかし、現時点では「大量のバックログ(積み残し)解消には相当の時間がかかる」(船社関係者)とみられ、コンテナ不足の状況は来年の旧正月以降も大幅に改善しない可能性が出てきた。

■中古車など輸送困難

 輸出用コンテナの確保が厳しい状況になる中、船社側は生活必需品や、生産部品など納期が厳しい品目を優先するため、中古車やスクラップなどの貨物についてはブッキングを停止する措置を取る船社が増えている。

 輸入過多の日本市場において、再生資源関連の輸出貨物は船社にとってインバランス解消のために重宝する貨物だった。しかし、運賃水準が急騰する中、船社も運賃負担力の小さいリサイクル関連貨物へのコンテナ・スペース供給を絞らざるを得なくなっている状況だ。

 中古車はRORO船など他の輸送モードへのシフトの動きがあるが、コンテナ化されたスクラップ貨物は動きが止まった状態。再生資源を取り扱うフォワーダーは商社など荷主への説明に苦慮しているという。