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 印刷 2020年11月17日デイリー版1面

日本発アジアも高騰、1カ月で運賃3倍。コンテナ不足 影響。印向け4000ドル超に

 日本発アジア向けのコンテナ運賃が急騰している。これまで日本発コンテナ運賃の高騰は北米航路など長距離航路だけだったが、ここにきてアジア向けにも波及しつつある。特にインド向けはスペースがほとんど取れず、「1カ月前はせいぜい3桁だったのが、いまは4000ドルを超える」(フォワーダー関係者)との声もある。主要航路でのコンテナ不足により、運賃水準が高い欧米諸国向けにコンテナ回送が優先され、短・中距離のアジア向けにコンテナ機器が回ってこないことなどが影響しているようだ。

 「これまで日本発南アジア向けでは中古建機用に40フィートコンテナ当たり300ドル(海上輸送のみ)の格安運賃で出してきたが、16日から600ドル値上げした」

 ある船社の営業担当はこう話す。600ドルは値上げ後の金額ではなく、上乗せ額。つまり、週を挟んだところ、海上運賃が3倍(900ドル)になった計算だ。ここにきて、このような極端な値上げが日本発でも相次いで見られるようになっている。北米・南米航路の運賃高騰が大きな話題だったが、こうした流れはアジア向けにも確実に波及しつつある。

 日本を除いたアジア域内では既に3週間前から、こうした値上がり傾向は顕著だった。例えば上海発インド向けは従来、高くても40フィートコンテナ当たり900ドル程度だったが、「今では4000ドルを超えている。ただ、それでもスペースが足りないことが少なくない」という。

 11月に入り、アジアの流れは着実に日本にも波及していった。これまで日本国内からインド西岸向けに出荷しているある荷主は、40フィートコンテナ当たり500―600ドルの海上運賃で利用していた。ところが、起用船社がハコ不足などを理由に十分なスペースを提供しなくなり、困って他船社に問い合わせたところ、「いまは4000ドル以上でないと無理」と言われて驚いたようだ。

 このほか、一部船社では今週から日本発東南アジア向けを一斉値上げし、タンジュンペラパスまで1700ドルとするなど、以前なら考えられない運賃が続出している。東南アジアでは特にベトナム、マレーシア、シンガポール向けの需給が逼迫(ひっぱく)しているという。

 なぜ、ここまで運賃が高騰したのか。一つには極端なコンテナ不足が大きく影響している。

 北米航路が空前の活況に沸く中、同航路ではスペースやコンテナ機器の不足が徐々に顕在化。急増するコンテナ貨物に西岸諸港や鉄道の処理が追い付かず、北米内陸部にコンテナが滞留したことも、ハコ不足に拍車を掛けていった。

 このため、大手船社は高い運賃を獲得できる北米など長距離航路へのコンテナ回送を優先。運賃が低迷していたアジア域内航路へのコンテナ機器の手当てを後回しにしていたようだ。

 これに対し、アジア域内航路の専業船社は影響が出ないように見えるが、「規模の小さい域内専業船社は自社コンテナ保有比率は少なく、リースコンテナ依存度が高い。しかし今はリースコンテナの取り合いになっており、域内専業船社もハコを十分に確保できていない」(別の船社関係者)という。北米でもアジアでも、40フィートハイキューブコンテナの不足が目立っている。